カレンダー

2022/10
      
     

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

日本語版講座の罠

by 唐草 [2022/10/01]



 先日、とあるソフトの入門講座を受講した。と言ってもオンライン講座。動画を見ながらWebに掲載されたサンプルに触れて、最後に選択式の小テストを受けるスタイル。なんとも現代的な講座だ。これが無料で受けられるんだから、ありがたい時代である。
 講座の中身も充実していた。スキルレベルを確実に上げていく構成だし、動画の講師役の人もフランクな感じで親しみが持てる。最後の小テストは、教科書持ち込み可の試験のようなものなので少し難しいが、ひっかけ問題はなく純粋に習得度合いを確認できる良い問題だった。
 教科書などを作るインストラクショナル・デザインの観点から見てもとても良くできた講座だった。このオンライン講座の構成は、ぼくの授業にも活かせそう。単に講座で扱った内容を身につける以上の収穫があったと言える。充実したひとときだった。
 まじめにオンライン講座を受講したのは、自分の技術レベルを向上させたいという向学心あふれる前向きな思いもあった。でも、それだけでなかったのも事実。
 試験に合格すると参加賞として、ちょっとした便利なデータセットを貰える。ぼくはこの報酬に惹かれて講座の動画をスキップせずに見て、真面目に試験に取り組んだのである。結局ぼくの心と身体を動かすのは金なのだ。
 だが、残念なことにぼくは報酬をゲットできなかった。試験に落第したわけでないのにだ。無論、邪な考えを見抜かれたからでもない。
 確かに合格点ギリギリだったことは認める。いつものようにケアレスミスで評価を落としていた。それでも合格点に達した事実には変わりない。
 それなのになぜだ!
 理由は悲しいものだった。
 ぼくが受けた講座は、英語版のオリジナルを日本語に翻訳したもの。講座と試験は日本語になっているし、動画にも日本語字幕がついている。
 でも、英語版の講座とは連動していなかったのだ。
 ぼくが合格したのは報酬なしの日本語版だけ。報酬がほしければ英語版で合格しないとダメらしい。
 こんな中途半端なローカライズ許されてなるものか。ふざけるな。ぼくの英語力で試験を突破できるわけがない。