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iOSはいつもうまくいかない

by 唐草 [2022/10/26]



 数年ぶりにiOSアプリをビルドした。今のiOS開発環境は、iPhone 4の頃に比べれば格段に進歩している。でも、ガチガチに固められたセキュリティーの複雑さには、改善の兆しは見られない。
 だから、ぼくは今回もビルド失敗地獄に落ちて苦しむ羽目になった。iOSのビルドは一度たりとも気持ちよく終わったことがない。iPhoneやiPadを使う方は、便利なアプリや楽しいゲームの裏側に証明書と認証を巡るエンジニアの苦しみがあることに想いを馳せてもらいたい。
 今回のアプリはストアで配布するものではない。技術確認を主眼にした自分専用の実験的なもの。そんなものであってもAppleは、お目溢しをしてくれない。どのデバイスになんというアプリを誰が書き出すのかを申請して証明書を発行してもらう必要がある。
 サポート期間内のmacOSを使って手元のデバイスに書き出すだけなら証明書を自動発行してくれる。でも、ぼくの開発環境はサポート切れ。しかも新しい機能を試しているので最新版でないとコンパイルが通らない。だから今回はクラウドMacでビルド。
 しかしクラウドMacに自分のiPadをUSB接続することはできない。これでは自動発行証明書が使えない。
 複雑な環境で複雑なことをするには、Appleを欺くような複雑な申請が必要になる。
 特別な証明書をゲットするために証明書を1から手動で発行することにした。10年ぐらい前に初めてiOSの開発をして一番苦労した部分が、この手動証明書発行。プログラムを書くよりも難しい。必要なのはアルゴリズムを組む能力ではなく事務処理能力だから。つまりぼくがもっとも苦手としているスキルだ。
 ブランクがあったので今回も一発で証明書を作れなかった。しかし、昔取った杵柄だ。申請しているうちに色々思い出してきた。
 デバッグビルド限定とは言えなんでもやり放題のワイルドカード証明書の作り方を思い出した。トランプのジョーカー的な証明書だ。
 このVIPカードのような証明書があればデバッグビルドはやり放題。自作アプリ満載のApple脱法iPadの出来上がり。