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4より3って言うけれど

by 唐草 [2022/10/29]



 『Fallout』シリーズ25周年を記念して『Fallout 3』のPC版が期間限定で無料配信になった。ぼくはすでに持っているので今回の大盤振る舞いの恩恵に与れなかった。
 『Fallout 3』は2008年発売のPS3と同世代のゲーム。それでもFalloutファンの多くが「3が最高で、4よりずっと面白い」と声を大にしている。だが、4を遊んでから3を遊んだぼくは、そう思っていない。4の方がずっと面白いと信じている。
 2008年のゲーム市場を思い起こせば『Fallout 3』がいかに先駆的なゲームだったかということに疑いはない。後に続くオープンワールドゲームの礎の1つであることは明らかだ。同時代における傑出度という観点からすると『Fallout 3』はエポックメイキング的な作品と言える。
 『Fallout 4』は 3を正当進化させたゲームだった。4が出た2016年はオープンワールドゲームが盛り上がりを見せていた時期。どこへでも自由に行けて、好き勝手に行動できるRPGに珍しさはなかった。それでも4の作り込みは同時期のゲームと比べても群を抜いていた。
 ぼくはゲームの完成度やシナリオ分岐の幅などから3よりも4を支持している。でも、この意見は大勢いる3を信奉するオールドファンの声にかき消されていた。
 ところが、『Fallout 3』の無償配布が始まって以来、風向きが変わってきた。3を推す声が少し小さくなった気がする。
 改めて『Fallout 3』をプレーしてみたら記憶よりずっとチープに見えたのかもしれない。なにより2008年に感じた傑出度をもう一度味わうことはできなかったのだろう。現実を目の前にして思い出補正が脆くも崩れ去ったのではないだろうか?
 日本でも往年のドラクエファンは「3がいい!」とか「5が最高」と言い続けている。 3も5も同時代の傑出度は圧倒的だった。でも、それは今遊んでも楽しいということではない。
 思い出の中にある古いゲームを手放しで絶賛し続けるような進歩を受け入れられない人にはなりたくない。