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大は小を兼ねる?

by 唐草 [2022/11/09]



 「大は小を兼ねる」という誰もが一度は使ったことがあるであろうことわざがある。おそらく古い言葉だと思うけれど、情報化が進み目覚ましいスピードで日常が変化するようになった現代でも変わることなく意味が通じる。仕事の本質を突いた言葉なのかもしれない。
 想定外のことが起きても対処できるようにマージンを多めにとっておくのが安全なやり方だ。とは言え、世の中には反対の意味をもつ言葉もある。それが「過ぎたるは及ばざるが如し」である。
 PC配置を中心として週末から続いた大掛かりな模様替えのさなか、ぼくは「大は小を兼ねる」と「過ぎたるは及ばざるが如し」の間で大いに揺れていた。
 各種配線の取り回しは、家具の配置以上にぼくを悩ませた問題だった。短いケーブルだと届かないという事態が数度発生したが、そのいずれの場合も長いケーブルを使うことで事なきを得た。この事実だけを見れば「大は小を兼ねる」が正しいように思える。
 しかし、ぼくの手元にあった余剰ケーブルはどれも長過ぎた。「短いケーブルを買って届かなかったら悲しいんで1段階長いのを買っておこう」という精神で購入したケーブルがほとんど。50cm必要なときは1m、2m必要なら3mのケーブルを買うといった具合だ。
 今回はこの余裕が仇となった。
 どのように配線してもケーブルが余って床を這ってとぐろを巻いてしまう。
 過剰に余ったケーブルは見た目も悪いし、すぐに絡む原因にもなる。そして、絡んだケーブルにホコリが溜まって更に見た目が悪くなる。ケーブルのとぐろは部屋に悪循環をもたらす。模様替えの動機の1つに悪循環を断ち切るためにケーブルの絡みを解消するというのがあったが、それは十分に果たせていない。
 その理由は、慎重な性格のぼくが長いケーブルばかり買ったことに帰着する。完全に「過ぎたるは及ばざるが如し」という状況であり、身から出た錆でもある。
 今回の経験を通してあくまで「大は小を兼ねる」であり、「長は短を兼ねる」ではないということを痛感した。