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サポートのサポート

by 唐草 [2022/12/16]



 今までにいくつかの組織や企業と契約を結んで働いてきたが、その多くで結果として同じ業務に就くことになった。
 いつも「分からないことがあったら、あいつに聞いておけ」という感じの最終防衛ラインに立たされてきた。今もサポートチームのサポートに多くの時間を割いている。
 サポートを支援して業務改善を図りたいという志を胸に抱いて契約を結んだことは一度もない。初めは異なる業務契約だったはずなのに、気がつけば肩書はそのままにサポートのサポート役になっている。
 マニュアルに記載されていない例外事項への対応、そこからのマニュアル改定。利用者向けのレクチャー。そんな毎日。
 なぜ、どこへ行っても毎回こうなってしまうのだろう?
 ぼくはサポート業務が大嫌いだ。だって、マニュアルをろくに読まずに自分の失敗を他人のせいにするバカの尻拭いをするだけで何の達成感もない仕事だからだ。サポート部門なんてものは世界からなくなったほうが、人々が自分の脳ミソでものを考えるようになって世界は良い方向へ向かうはずだとさえ思っている。
 それなのに、どういうわけかぼくのところへマニュアルに載っていない問い合わせが、たらい回しにされてやってくる。リレーのように右から左にバトンを渡しているだけなら、ぼくも面倒事には目をつぶって隣へバトンを押し付け逃げるだろう。でも、どういう訳かぼくのところに届くバトンは、上へ上へとヒエラルキーを駆け上がってきたものばかり。もうバトンを渡せる相手はいない。
 だから、ババ抜きで負けるように業務に取り掛かるより他にない。それにぼくのすることは「このボタンをこの順番で押してください」と言うか「コンピュータは魔法の道具じゃないんだから無理なものは無理」と言うだけ。
 そんな感じで取り組む仕事のモチベーションは低い。「こいつらみんなバカなんじゃないか」と見下すことがぼくを支える唯一のモチベーション。
 一度で良いから誰かに「これ分かんないから教えて」って頭空っぽのバカみたいなこと言ってもお金がもらえる仕事をしてみたい。まぁ、それはそれでつまらなそうだけど。