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リアル倉庫番

by 唐草 [2022/12/23]



 先日、ベッドに扇風機が寝ていた。エアコンの温風を効率よく循環させるための措置だったとは言え、その光景は異常だった。常軌を逸していると言われても致し方ない。Google先生だって冒頭の文がおかしいと赤線を引いている。
 目を疑うような光景の理由は、先日書いた通りぼくの部屋のレイアウトがおかしいから。部屋の中央に国を分かつ壁のようにそびえる本棚が空気の流れを阻害していた。だから、強引な位置にサーキュレーターとしての扇風機を置かねばならなかった。
 状況に目をつぶり結果だけを見れば、扇風機の活用はうまくいっていた。部屋の中に空気の対流が生まれ温風が隅々まで届いていた。とは言え、どう考えてもおかしい。当たり前のことだが、扇風機はベッドの上にあるべきではない。
 その場しのぎの対応を重ねていった結果、ぼくの部屋は破綻してしまった。小手先の対応では破綻から抜け出すことはできそうにない。下手をすればもっとおかしいことになってしまうかもしれない。ベッドがあるのに床で寝たり、椅子の上に立って仕事をするようになる前にどうにかしなくては。
 と言うわけで、部屋の大幅な模様替えを敢行した。
 デスクを囲む背の高い本棚を一掃するのが最初の一手。使い勝手が落ちるのは覚悟の上。まずは常識的な見た目を実現することにした。
 やることは簡単だ。本棚を壁際まで押せばいい。
 でも、そんな単純なことすらできない程にぼくの部屋は込み入っていた。立ち並ぶ本棚が互いの邪魔をして容易には移動させることができなかった。
 この状況を打開するのに必要なのは、パワフルに本棚を押す筋力ではない。状況を見極める観察力と判断力だ。気づけばリアル倉庫番ゲームが始まっていた。
 ボンバーマンだったら自爆してゲームオーバーになるようなミスを数手犯したし、無駄に左右へ本棚が動いたこともあった。それでも諦めずに手を重ねることで最終的に普通の部屋らしい見た目へ行き着いたと思う。少なくとも数倍広くなったように見えている。きっとこれでエアコンも無駄なく効くはず。