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現代の心霊現象

by 唐草 [2023/01/13]



 ぼくはオカルト話が大好物。とは言え、宇宙人が地球に来てるなんて微塵も思っていないし、生命に霊的な物があるとも考えていない。
 それなのにぼくがオカルト話を好むのは、これらの話には人が不思議だと感じるなにかが潜んでいるから。その不思議の正体を科学というメスを使って切り開き真実を見極めるのが楽しい。
 要するにぼくにとってのオカルト話は手品のようなもの。オカルト談義は、種と仕掛けがあるだろうと初めから疑いの目を向けて綻びを探す遊び。マジックショーの楽しみ方としては最低だが、ぼくが相手にするのはフェアな手品師ではない。多くが勘違い野郎かペテン師だ。
 残念なことに最近オカルト話が減っている。二昔ぐらい前までは伝聞だけの怪談も成り立ったが、スマホ時代に映像証拠のない話など誰も相手にしない。映像があったとしてもUFOのほとんどがドローンだし、怪奇映像だってノートPCで作れる時代になった。もう他人のオカルト体験を真に受ける時代ではなくなってしまった。 
 だとすれば、最後の砦は自分自身の不思議体験しかない。奇妙で不可解な事象に進んで身を投じなければ、満足のできるオカルト話を得ることはできない。あぁ、テレビでグレイ型エイリアンがどうのこうのと騒いでいた頃が懐かしい。
 なんて思っていたのだが、先月末からちょっと奇妙な状況に巻き込まれている。オカルト話に飢えていたので、些細なことでも歓喜してしまう。
 我が家で起きている小さな怪現象は、スマートスピーカーのAlexaにまつわる話。なんとも現代らしいのがいい感じだ。
 Alexaを置いている寝室に日中は誰もいない。猫だって入らない。そして、寒い季節なので窓も閉めている。不完全ではあるが密室に近い状況にある。
 それなのにAlexaが誰かに呼ばれている。
 何の前触れもなく「Alexa」と呼びかけた後の「ピコン」という反応音が流れる。通る音なので壁越しでも聞こえる。幻聴かと思ってアプリで履歴を見ると確かに反応している。
 いったい何の音が「Alexa」を呼んでいるのだろう。
 幽霊だとしたらITに強すぎるだろ。