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節電と肩こり

by 唐草 [2023/01/26]



 冷蔵庫のようにキンキンに冷え切った自室をエアコンだけで暖めることは無理に思えた。無理を承知で氷のような冷気を追い出すために一日中フルパワーでエアコンを稼働させるよりも、自分が暖かい場所へ移動したほうが賢明だ。とくに光熱費が高騰している今なら尚更である。
 と言うわけで、昨日からノートPCを我が家でもっとも暖かい場所であるリビングに持ち込んで仕事をしている。PCはデスクトップ派だけれど、簡単に作業場所を移せるノートPCの機動性だけは認めざるを得ない。
 我が家のリビングが暖かいのには2つの理由がある。1つは数年前のリフォームで2重サッシと断熱材を導入したという構造上の理由。外からの冷気をシャットアウトしつつ室内の暖気を逃さないという基本を忠実に守った現代的な作りになっている。もう1つは、常に誰かがいるので常時暖房がついているからだ。運用面でも暖かさを保っている。
 普段からリビングで仕事をすれば、冬だけでなく夏も光熱費を大幅に抑えられるだろう。でも、そうしていないのには理由がある。その理由は1日でもリビングで仕事をすれば嫌というほど体にしみる。
 今、ぼくの肩と首の筋は鉛のように重く、木材のように固くなっている。
 リビングにある椅子は長時間座るのに適していないし、食卓はPCを使うには低すぎる。それに普段は大きなモニターとフルキーボードを使っているので、モバイルサイズのノートPCはあまりにも小さい。不適切な場所で体のサイズに合わない機器を無理な姿勢で使えばどうなるかなんてことは考えるまでもない。
 筋肉が悲痛な悲鳴を上げるのだ。
 ぼくの首筋は、動かすことを拒むほどに凝っている。ちょっと首を回そうとするとピシッと電流が走るような違和感がある。ここまでくると肩こりの域を超えているような気すらする。肩こりになることは予想していたが、ここまで深刻な症状に見舞われるとは思っていなかった。
 それでも寒い部屋で震えながら作業するよりは、肩こりのほうがまだマシだと信じている。そして、なにより財布に優しい。これだけでケチなぼくの心は暖かくなる。