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暗い毎日

by 唐草 [2023/02/06]



 今日から自宅の外装工事が始まった。2週間掛けて割れた屋根材を貼り替え、壁を塗り直す予定だ。Googleマップで自宅を空から見ると、素人目にも屋根がボロボロなのが見て取れる。
 そんな屋根だから有象無象の業者が立て続けに塗り替えの営業に来ていた。情報が溢れているこの時代に、海の物とも山の物ともつかぬ業者に仕事を依頼する気なんてない。飛び込み営業を断るのにも疲れてきたので重い腰を上げて修繕を決意した。依頼するのは、もちろん実績を知る業者だ。
 今回の工事では、同じような色の屋根を敷いて、同じような色のペンキで壁を塗る。同じ壁の塗替えでも向かいの家のように壁を鮮やかなパパイヤ色にするなんて暴挙はしない。きっと工事が終わり全貌が明らかになっても、感激するような変化はないだろう。そんな地味な工事をリフォームと呼んで良いものだろうかと首をかしげている。
 工事1日目は足場組だ。
 昨今、足場業者が儲かっているらしい。足場材を持っている会社は引っ張りだこだそうだ。我が家の工事も足場屋のスケジュール有りきで組まれたので噂はあながち間違いではないようだ。
 それにしても職人の朝は早い。ぼくがやっとのことで目を覚ました午前8時15分頃に現場である我が家に到着してテキパキと足場を組み始めた。今の足場はユニット化しているようで、まるでレゴでも組み立てるように作業が進んでいった。支柱の鉄パイプにマウント用の突起があるので工具なしでも組めるようだ。
 重いはずの金属製の柱や足場を、まるで重さを感じさせず軽々と持ち上げていくさまと3人の職人の息のあった連携に見とれてしまった。ぼくが眠そうな目でポカーンと口を開けている間に足場は完成した。幕を貼り終えたのは11時半前。たった3時間で、我が家は工事用の紗のかかった幕に包まれ日差しは3割減という感じと相成なった。しばらくは暗い毎日が続く。
 そして足場屋は風のように去っていった。
 ぼくは家の外に出て見事に組まれた足場をぐるりと眺めた。そして一番低い足場の上に立ってやろうとしたけれど、鉄パイプに登ることすら叶わなかった。