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防犯グッズを売ろう

by 唐草 [2023/02/24]



 閉じた狭いコミュニティー内での噂は自動車より速く各家庭へ届く。まるで高度な連絡網があるかのようだ。ぼくも直接会ったこともない人の噂話を耳にすることもある。
 先日、こんな噂を耳にした。
 連続強盗事件の直後に近所の土建屋の社長が、自身が被害に合うことを警戒して通販で防犯スプレーを買ったらしい。この社長の家は、見るからに金持ちそうな作りをしている。そんなところに住む人にとって連続強盗事件は対岸の火事ではないのだろう。金持ちには金持ちの苦労があるんだなと思ったものだ。なお、この感想は同情ではない。「身から出た錆だな」と小バカにするようでいて、同時に僻みにも似た貧しい感情も含んだもの。厄介な感情ではあるが、噂を加速させるには最高の燃料となる。
 この噂を聞いて思ったことが、もう1つある。それが今日の本題。
 今、慌てて通販で防犯グッズを揃えるのは悪手だという考えだ。
 連続強盗事件の報道以降に防犯スプレーなどの防犯グッズを購入した人の多くは、守りたい資産を有する金持ちだろう。こう予想したのは、金持ちと対偶な関係にあるぼくが報道を聞いても一切行動を起こしていないから。
 ということは、防犯グッズ販売店のオーダーリストは全国の金持ち一覧のような状態になっているに違いない。その名簿って、闇バイトを募集するような良からぬ連中が喉から手が出るほどほしいターゲットリストそのもの。防犯グッズ販売店へ押し入ってリストを盗むのも辞さないぐらいに価値がある。
 でも、もっと簡単に防犯グッズを欲しがる金持ち顧客リストを手に入れる方法がある。それも合法に。
 なんのこともない。犯罪組織が防犯グッズショップをAmazonや楽天に出店するだけ。こうすれば、飛んで火に入る夏の虫のように金持ちの方から個人情報を進んで提供してくれる。
 防犯グッズを扱う多くの店が善良であることは間違いない。でも、事件後に降って湧いて出たような新参の店は、少し疑ったほうが良いかもしれない。
 疑い出すとキリはないが、1つ言えることがある。防犯グッズはオンラインで買うべきではない。