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田中の池

by 唐草 [2023/03/05]



 知人からGoogleマップで妙なものを見つけたと連絡があった。
 Googleマップで航空写真を眺めていると自分が知っている場所に意外なものが見つかることがある。地に足をつけて自分の目で世界を見ることも大切だが、身の丈から見える世界なんてたかが知れている。ときに地面を遠く離れて俯瞰してみることも大切なのだろう。
 偉そうなことを書いてみたが、ぼくはそんな高尚な気持ちでGoogleマップを眺めているわけではない。小さな不思議を見つけられたらラッキーぐらいの軽い気持ちでタブレットの上で指を滑らせている。連絡をくれた知人も、きっと同じことを考えているだろう。
 送られてきた地図のURLを開くとこう書かれていた。

 「田中マルクスの池」

 池にしては随分立派な名前だ。「池」となっているが、航空写真に写っているのは人工的なもの。淡い水色できれいな長方形をしている。長方形の中には等間隔で細い線が10本ぐらい引かれている。
 どう見ても競泳用プールだ。
 田中マルクスと聞いて一番に思いつくのは、元サッカー日本代表の田中マルクス闘莉王選手。実績ある有名選手なので名前を冠した施設があっても不思議はない。
 だが、プールにサッカー選手の名前を冠するのは釈然としない。
 航空写真だとプールのように見えるだけでフットサルコートの可能性もある。そんな希望も「池」の字が否定する。否が応でも水の存在を意識させられる。また、Googleマップの表示モードを航空写真から地形に切り替えると水色で表示されるし、すぐ脇に「プール」と書かれたピンも立っている。どう考えてもプールだ。
 この池があるのは一橋大学小平国際キャンパスの一角。同じ敷地にはサッカー場もあるのに、そこには田中マルクスの名前はない。
 ひょっとして闘莉王選手ではない別の田中マルクスさんの名を冠しているのだろうか?一橋大学なので著名な経済学者の名を冠しているとか?
 だとしても池はないだろ…。
 おそらくポケGoかIngress用のランドマークだろう。でも、なんで池に田中マルクス?その発想がどうしても解せない。