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4次元体験

by 唐草 [2023/03/09]



 Unityなどのゲームエンジンでは、現実を簡易的にシミュレートしている。何も設定していなくても重力は存在するし、時間は決まった速度で時間は進んでいく。もちろん重力の強弱を変更したり、時間の進む速度を変更することもできる。とは言え、古典力学的な物理法則が支配する空間から脱することはない。
 これは大多数のゲームが、ぼくらを取り巻く現実世界を基本にしているからなのだろう。ボールを投げれば飛んでいってやがて落ちる。そして、地面で少し転がり最後には止まる。こういう慣れ親しんだ常識と言える法則の中でさまざまなゲームが作られている。
 直感的なゲームを作るという観点から言えば、世界を取り巻く物理法則に従うのが正解だ。しかし、こうも考えられる。
 物理法則に支配されない空間をシミュレートできるコンピュータだからこそ実現できる非現実的な遊びもあるのではないか。
 数年前に5次元チェスというイカれたゲームが話題になった。マルチバース空間でタイムトラベルしながらチェスで遊ぶという意欲作。こういうゲームこそコンピュータを使わないと不可能な遊びだ。美麗な仮想空間でリアルな挙動のメカを動かすだけがコンピューターゲームではないということを思い出させてくれる。
 今は技術再習得を目標に古典的なローグライクに取り組んでいる(2月は忙しくてUnityを起動することすらなかったが)。ローグライクは長い歴史を経て完成されたゲームジャンル。これまでにさまざまな新要素が考案されたが、定着したものはない。ぼくも変に色気を出さずに基本に忠実に作ることを心がけている。
 その一方で、コンピュータ上の仮想空間だからできることを組み込みたいなと、どうしても考えてしまう。これはおそらく余計な考えで、素人が手を出すべきことではない。そう分かっていても、なにか1つ軸を追加したいと思ってしまう。それが蕎麦にケチャップをかけるような愚行だと分かっていてもだ。
 今、注目しているのは時間。まっすぐ進まなくても良いのではないかとか余計なことを考え始めている。
 先日、映画『TENET』を見たせいなのは言うまでもない。