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瓶の蓋を呪う

by 唐草 [2023/03/25]



 「瓶の蓋」と書くとジャムのガラスビンのような口の広い容器の金属製の蓋というイメージが強い。でも、今日話題にしたいのはその手の蓋ではない。ポン酢や麺つゆの容器のような細いガラスビンやペットボトルに付いているプラ製(多くはポリエチレン)の蓋だ。今日はこれらのことをまとめてプラキャップと呼ぶ。
 プラキャップは本当に便利。特筆すべきは、指だけでも開閉できる手軽さだ。簡単に開け閉めできるのに密閉性は十分。倒したぐらいで中身が盛れることもない。
 この性能のおかげで片手がふさがっているときに使うことの多い調味料の蓋は、ほとんどプラキャップだ。冷蔵庫を確認するとソースもケチャップもマヨネーズもプラキャップだった。
 便利なプラキャップだが、ぼくはひとつだけ弱点があると考えている。それは、いろいろな容器に合わせてさまざまな大きさや形のキャップが製造されているがゆえに、キャップの外し方に統一性がない点だ。
 リサイクルが当たり前になっている昨今、容器がPETだろうとガラスだろうとぼくらは素材の異なるキャップを外して分別する。資源の枯渇やら地球の未来だとかの大きなことは考えずとも、分別とリサイクルを当然のゴミ処理手順だと受け入れている。
 だが、プラキャップの外し難さは、いつだってぼくらの内に育ったリサイクル精神を揺るがすのに十分なストレスを呼び覚ます。
 今日も空になった浅漬けの素のキャップを外しそこねた。ラベルにある手順に従って正しい向きに引っ張ったのに失敗した。切り込みに沿って切れるのではなく、開閉部の薄いところで千切れてしまった。
 今日のキャップは付け根の一方だけが切れるタイプだったが、この形式のキャップを説明通りに外せた試しがない。いつも無様に千切れてハサミを取り出すことになる。
 キャップの付け根の両側が切れるタイプは外しやすいが、ぼくが利用する製品でこの形式なのは蕎麦つゆだけ。なので9割方失敗している計算になる。
 リサイクルを促進させたいのなら、国内だけでも共通のキャップ外し機構を実現してほしい。でないと、ビンを空にするたびに地球の未来を呪うことになる。