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サジタリウスの秘密

by 唐草 [2023/04/03]



 星占いの星座のことなんて全然知らない。知っているのは、自分の星座と全12種類ということだけ。星座にまつわる神話なんて1つも知らない。それどころか牡羊座と牡牛座のどちらが先なのかも分からないし、12星座を順番に並べるどころか全部挙げることすらできそうにない。
 12星座の顔ぶれには牛や羊といった身近な動物もいれば、獅子のように勇ましいものもいる。蟹や蠍といった哺乳類以外の生き物も紛れ込んでいる。同じように12のシンボルがある干支と決定的に違うのは。天秤や水瓶といった道具が含まれていることだろう。
 どの星座にもギリシア神話の逸話がある。いくつか紐解いてみたが、神話の人間関係を理解していないので理解し難いものばかりだった。理解できたのは、ゼウスは下半身で生きるタイプということだけ。
 先日、干支に1匹だけ空想上の生き物がいると書いた。それに比べると12星座の顔ぶれは多彩だが現実にあるものをベースにしている。
 と納得しかけたのだが、これはとんだ早合点だった。
 シンボルだと矢で描かれることが多い射手座。これを見逃してはいけない。
 射手座の射手とは、弓を射る人のことを広く指しているのではない。ある一人を指している。それが、今ではサジタリウスで知られるその人だ。
 サジタリウスは、ケイローンの名で知られた弓の名手。その姿は、上半身が人で下半身が馬のケンタウロス。射手座を人馬宮と呼ぶのはそのためだ。
 そういえば、星座図で弓をつがえたケンタウロスの絵を見たことがあった。こいつが射手座の正体だったのか。なぜか今までうまく結びついていなかった。
 そして、大きな勘違いも発覚した。サジタリウスの背中には天使の羽のような翼が生えていると信じていた。馬に羽根にモリモリのキメラだなと思っていた。ところが、そうではなかった。背中にあるのは、風に翻るマントだった。
 サジタリウスっていうのは翼のある特別なケンタウロス属のことではなかったのね。てっきりサジタリウスという種類の生き物だと思っていた。まさか、個人を指す称号のようなものだとは。