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猫の薬

by 唐草 [2023/05/01]



 先月から我が家の猫の1匹の具合が良くない。ざっくり言うと極度の便秘に陥っている。獣医の見立てでは、肛門の機能が著しく低下して適切に排便できないとのこと。高いところから落ちたなどの外的要因もないし、尻尾を動かせなくなるような重篤な神経障害もない。致命的な問題がないのは安心材料だが、裏を返せば原因不明とも言える。そのため残念ながら有効な治療方法が見つかっていない。
 できることと言えば、肛門間際まで来た便を外から摘んで出してやる「摘便」と投薬によって腸の働きを活発にすることぐらい。
 摘便は肛門に指を突っ込むわけではない。ぼくでも一応どうにかできる。獣医がやると腸に詰まった便を最大4個ぐらい摘出できるが、ぼくのスキルだと出かかった1つを摘み出すのが精一杯。それでも効果はあるようだ。
 素人でもうまくできるのは、投薬の支援があるからなのかもしれない。一体どんな薬が処方されているのだろうか?薬袋に書かれた薬の名前を検索した。
 ぼくは、猫のための薬を検索したつもりだった。だが、表示されたのは人間用の薬だった。
 説明には腸の働きをよくすると書かれている。穏便な書き方をしているが、どうも下剤の一種と読み取れる。更に検索すると犬や猫にも処方されているとの情報も出てきた。どうやらこの穏やかな下剤は、人間だけでなく犬や猫にも使える汎用性の高い薬のようだ。
 人間も猫も大きなくくりでみれば、どちらも同じ哺乳類。体の基本的な構造や機能に共通する部分も多い。そのため、同じ薬が同じ効果を発揮することもある。ヒト由来の乳酸菌を使った整腸剤のビオフェルミンが猫にも効くと聞いて驚いたこともある。また、人の皮膚炎に使うステロイド塗り薬も種類によっては猫にも使えるという話を聞いたことがある。きっと他にも人と猫が共通で使える薬は意外と多くあるのだろう。動物病院へ向かわずに薬局で買える市販薬だけで対応できたらどれだけ楽なことか。
 その一方で、玉ねぎやチョコレートといった人間にはおなじみの食材が、猫にとって致死性の毒物になる例もある。それに投薬の単位もよく分からない。なので素人判断は禁物。