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壁紙の限界

by 唐草 [2023/05/09]



 ぼくはすべてのPCに同じ壁紙を設定している。コピーにコピーを重ねて様々なPCへ移植して約20年使い続けている。こんなにも同じ画像を壁紙に使い続ける人は多くはないだろう。
 この使い方からは、その画像を「お気に入り」と呼んで良いのだろう。客観的に見れば、「お気に入り」と呼ぶべき。だが、ぼくにはそう呼びたくない複雑な想いがある。
 その壁紙は、古いMacOS Xに同梱されていた白黒写真壁紙セットに含まれた1枚。白黒の自然風景が中心の写真セットの中に1枚だけ毛色の異なるものがあった。削り出した金属で作った波のような画像。それが、ぼくのデスクトップに20年君臨し続けている。
 この写真を撮影(CGっぽいんで作成?)した人も、誰かがこんなにも長く使い続けるなんて考えてなかっただろう。
 その写真がぼくの琴線に触れたのは適度に虚無だから。風景写真のような主張もないし、壁紙によくある抽象画像のような過度な色彩もない。それでいて単色ベタ塗りのような退屈さもない。主張し過ぎない抑えた感じが、仕事の背景に相応しい。
 とは言え、採用理由が「虚無さ」にあるのでお気に入りとは言い難い。そんな関係が20年続いてきた。
 だが、そのドライな関係も終わりを迎えようとしている。
 壁紙のサイズは2560x1600。20年前の画面解像度は1280x1024ぐらいが主流だったので、当時は画像の大きさに驚いたものだ。
 今、使っているモニターの解像度は2560x1440。巨大と思った壁紙の幅と同じサイズ。ついに等倍表示になった。4Kモニターに移行したら壁紙のほうが小さいことになる。いよいよ壁紙の限界が見えてきた。
 また、壁紙はJPEG画像なので等倍で見ると圧縮ノイズが目立つ。白黒画像だから目立っていないが、グラデーション部分が荒れている。これを拡大したら、ひどいことになるのは自明。
 画像サイズと形式の両面から、ついに使用限界を迎えた感が否めない。
 果たして次の20年選手画像を見つけることはできるだろうか?ちょっと難しそうだな。