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健康x長寿

by 唐草 [2023/05/20]



 健康長寿というのは、多くの文化で理想的な生き方とされている。これは、理解しがたい死への恐怖や痛みに苦しむ病や怪我への恐怖の裏返しと考えることもできるだろう。でも、そこまで難しく考えなくてもいいはず。すべては長い進化を生き延びた生存本能に基づく判断なのだろうから。
 健康長寿という言葉は1つの四字熟語のように使われている。しかし、本来は「健康」と「長寿」との2語がつながった言葉だ。健康かつ長寿という2つの願いが込められたワガママな言葉とも言える。不老不死も同じような願いが込められた言葉だろう。
 健康長寿と不老不死。どちらも生への渇望が生み出した理想像だ。科学や医療が発展していなかった時代は、健康長寿と不老不死はどちらも実現不可能に思えていたのかもしれない。
 しかし、遺伝子を改変するレベルで人体を操作できるようになった今、健康長寿は多くの人が手にできる存在となった。このまま科学が進歩すれば不老不死も夢ではなくなるかもしれない。
 さて、ここからは言葉遊び。
 「健康長寿」という言葉を作る「健康」と「長寿」には、それぞれ対義語がある。「虚弱」と「短命」あたりがちょうど良いだろう。「健康」と「長寿」をそれぞれ「プラス」と解釈すれば、逆の「虚弱」と「短命」はいわば「マイナス」みたいなものだ。
 そうかんがえると、次の4つの組み合わせが考えられる。

 健康長寿
 健康短命
 虚弱長寿
 虚弱短命

 この中でもっとも良いのが「健康長寿」であることに異論はないだろう。
 では、次点は?そして最下位は?と問われるとなかなか難しい。
 長生きでも生涯が闘病となりそうな「虚弱長寿」は辛い人生になりそうだ。だからといって短い苦しみでさっさと死ねる「虚弱短命」が良いかというとそんなこともない。また、「健康短命」は健康でも短命なので、おそらく不慮の事故死を遂げるのだろう。
 健康長寿以外は、言葉遊びだったはずなのにどれも悲劇的に思えてならない。
 ただし、数学的に考えるとマイナスxマイナスの「虚弱短命」はプラスとなる。数学的には長く苦しまずに死ぬ虚弱者は幸せだってこと!?数学は過激だな。