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ジャムの真ん中

by 唐草 [2023/05/23]



 ぼくは朝食にパンを食べるパン派。自宅で朝食を食べるならパンで決まり。この数年はお正月の朝だってパンだ。朝にパンを食べないのは、出るのが早くて時間がない時か、パンを買いに行くのを忘れた時だけ。
 そんなぼくだが、パン食が好きなだけであってパンそのものに大きなこだわりはない。高級食パンを常食しているわけでもないし、オシャレな感じのするクロワッサンやバゲットを食べているわけでもない。
 毎朝食卓に並ぶのはスライスされた食パン。天然酵母を使ったちょっといい食パン(と言っても1.5斤で320円ぐらい)とスーパーで売っている「超熟」のようなごく普通の食パンをローテーションしている。
 ちょっといい食パンは、もっちりと生地が詰まっていて重い。そして、焼くと表面がカリカリで硬くなる。流行りのフワフワパンとは対極の存在。ハードな歯ごたえは、好き嫌いが分かれるだろう。
 この硬いパンにはバターが合う。小麦の甘味を引き出すには、バターの塩味がちょうどいい。
 スーパーで売っている普通の食パンの食べ方にはこだわりはない。バターで食べることもあるけれど、ジャムを塗ることのほうが多い。これは、ちょっといい食パンを必ずバターで食べていることの反動かもしれない。毎日バターを食べ続けて飽きないようにと無意識の内にセーブしているような気がする。
 ジャムと言うと、多くの人がいちごジャムを想像することだろう。ぼくだってそうだ。ジャムを塗ったパンの絵を描いたら、いちごを想像しながら赤に塗るだろう。
 けれども、ぼくが使うジャムで一番多いのはダークチェリー。いちごよりもずっと赤黒い。次点は、りんごジャム。いちごジャムはせいぜい3番手と言ったところ。我が家の食卓に登る機会は少ない。
 それでも、ジャムの代表と言ったらいちごのイメージが強い。
 今日は久々にいちごジャムを開けた。このド定番の甘さには新鮮味はない。ここのところちょっと酸っぱいラズベリージャムに凝っていた。だからこそ、余計に定番の甘さに優しさを覚えたのかもしれない。これぞジャムという王者の風格が漂っているようにさえ思える。