カレンダー

2023/12
     
9
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

広告

Twitter

記事検索

ランダムボタン

スクリュードライバー

by 唐草 [2023/11/18]



 ねじ回しの形を示す「プラスドライバー」と「マイナスドライバー」という言葉は和製英語だと知っている。でも、ぼくの知識はそこまで。英語で何と呼ぶのかは覚えていない。プラスマイナスに比べると面倒な呼び名だったはずということをおぼろげに覚えているだけ。
 英語でプラスドライバーは”Phillips screwdriver”、マイナスドライバーは”Flat-head screwdriver”という呼び名が一般的らしい。
 マイナスドライバーを意味する”Flat-head screwdriver”は、平らな見た目をそのまま呼んでいる。他にも”Straight-head screwdriver”とか”Slotted-head screwdriver”といった呼び方もある。いずれも見た目に起因した名前だ。
 プラスドライバーは、見た目ではなく特許者の名前で呼ばれている。日本で言うところの「八木アンテナ」と同じ系統だ。一応、見た目からの”Cross-head screwdriver”という呼び方もあるそうだが、Philipsのほうが主流らしい。
 ドライバーの呼び名は、見た目を身近な記号で例えた和製英語のほうが優れているように思える。でも、プラスもマイナスも数学的な意味を持つ。海外の人がプラスとマイナスという呼称を知ったら、締めるときがプラスで緩めるときがマイナスみたいな誤解をしてしまうかもしれない。
 英語で呼び名を調べている過程でPhilipsさんが取得したプラスネジの特許を知った。特許は、確実にネジの中心を捉えられる機構に対して与えられている。
 言われてみれば、確かにそうだ。プラスネジはいつだって簡単にドライバーで中心を捉えて回せる。とても単純なことだが、今まで意識したことすらなかった。
 Philipsさん、すごいな。
 きっとぼくらの身の回りには、プラスネジのように先人の知恵によって多くの恩恵がもたらされているのだろう。そして、その恩恵はなくてはならない存在になっているがゆえに、空気のようにあって当然で意識すらしない存在になっているに違いない。