by 唐草 [2023/11/21]
自分のことなのに答を決められない難問にぶつかった。
一番好きな野菜は何?
そう問われ、ぼくは答に窮した。この素朴な問いは、既にぼくを20時間以上苦しめている。まだ、満足できる答は見つかっていない。この場で考えを整理したい。
世界で一番売れている食べ物が最も美味しいもの、だからマクドナルドのハンバーガーが世界で一番美味しいという詭弁にも似た暴論がある。この暴論に従うのであれば、一番食べた野菜こそぼくがもっとも好む野菜になる。
ならば、答は簡単だ。
米。
とは言え、米に野菜感はあまりない。日本人にとって米は米であって野菜とは言い難い。冒頭の問いも、そんな日本人的先入観に基づいているだろう。
そこで野菜を「一般的な八百屋で売っているもの」に限定したい。そうすると米は脱落する。そして、候補は次のような野菜になる。ほうれん草のような葉物、ジャガイモや大根などの根菜類、穀物からはとうもろこしや大豆。主食寄りの米や麦、蕎麦などを除いた感じだ。
最初に米を選んだときと同様に消費量を考えれば、豆腐や味噌、そして醤油として消費する大豆が圧倒的。でも、大豆それ自体が好きかと言われると微妙。煮豆で食べようとは思わない。せいぜい枝豆止まりだ。これまでの人生において大豆が好きだと感じた瞬間なんて一欠片もない。
やはり好きだと言うには、その野菜単体で食べたり、料理の中で主役を張るような使われ方をされていることが重要だろう。
その点を考慮するとカレーの具に使われる、玉ねぎ、ジャガイモ、人参はかなり上位と言って良い。ぼくは玉ねぎも人参も生で食べるぐらい好きだ。ジャガイモは、ポテトサラダやコロッケのようにマッシュしても美味しいし、フライドポテトのように形を活かしても美味しい。
カレーに入れる野菜三銃士のどれかで決まりだろう。と思った途端に、別の野菜が浮かんできた。
キャベツ。
そう言えば、我が家の冷蔵庫の中には常にある。そして、生だったり火を通したりと様々な食べ方をする。地味だが、どうやらキャベツが一番好きなのかもしれない。
身近すぎるが故に気づけない青い鳥的な野菜。