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鍋をする自由

by 唐草 [2024/01/31]



 先日、SNSで大学生が授業中に鍋をしたという話題がバズった。字面だけ眺めるととんでもなく破天荒な連中が非常識な行動を取った炎上案件にしか見えない。
 だが、ことの詳細を確認するとだいぶ違った見え方になる。だからこそ、多くの人が意見を述べ炎上とは異なるバズり方、ある意味で健全なバスり方をしたのだろう。
 その授業は担当教授の裁量で「他人に迷惑をかけない限り何をやっても自由。鍋もするのも自由」的なことが宣言されていたそうだ。その条件の中で学生が授業中に鍋をやったそうだ。そして教授も喜んだそうだ。
 これに関して様々な意見があった。「鍋ができる授業が羨ましい」という好意的な意見から「調理すると匂いや音で他人に迷惑をかけることは避けられないのではないか?」という疑問も呈されていた。また厳しい意見では「教授が自由の例として鍋を挙げたから鍋をしただけでそこに学生の自由意志はない」というものもあった。
 ぼくの授業でも他人に迷惑をかけない範囲での飲食は認めている。迷惑の最小範囲は、他人の集中力を乱す匂いと音としている。だから、食べる際に音のする煎餅や蕎麦は厳禁。匂いの強いキムチやカレーもアウトとなっている。教員であるぼくは、海苔のないおにぎり、飴、そしてポップコーンを推奨している。要するに映画館で上映中に食べられるものならOKなのだ。
 さて、ぼくは鍋に対しては否定的。それは不特定多数が集まっている教室で鍋をすると、鍋を認識していない学生がお湯をこぼして火傷するリスクが高いからだ。また、教授が鍋を引き合いに出したから鍋を選択した感が否めない。それは自由とは呼べないと思う。それはぼくが高校生のとき修学旅行の夕飯がすき焼きだと聞いて班の仲間とスーパーで追加の肉を買ったのと同じ枠の中に収まった自由さでしかない。
 ちなみにぼくは、大学生の頃に仲間と共謀して教卓に冷蔵庫を設置して教員にビールを振る舞った経験がある。コンピュータ文化史の授業だったので「今日はサーバはサーバでもビアサーバーを設置しました」とダジャレなハックを実践した。そんな自由。件の鍋よりは自由だと思う。