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満足の先へ

by 唐草 [2024/03/30]



 「あれも欲しい、これも欲しい」と加えることだけ考えてゲーム開発を続けた結果、ダンジョン生成アルゴリズムは5種類になった。開発当初は、たった1つしかなかったのに。
 最初に用意したアルゴリズムは、幻に終わったFlash版『ギコネコ3』のために作ったもの。入れ子構造のループに弱いFlashでの実装を考慮したアルゴリズムで、弱点を感じさせない工夫を凝らしていた。ぼくの考えた最強ダンジョン生成アルゴリズムだと自負していた。
 だから「このアルゴリズムがあればローグライクなんて制覇したも同然だ!」と強気で開発を始めた。だが、改めて見るとFlashに合わせた制限が足かせになっていた。複雑なダンジョンを生成できるが、複雑さを担保するためにだだっ広い固定長のフィールドが必要なのが欠点。この自称最強アルゴリズムで生成されたダンジョンしかなかったら、すべてのダンジョンが同じ大きさ同じ難易度になる。それはいきなり最終ステージから始まるクソゲーであり、初心者のワクワク感を叩き潰すことは必至。広く難しいダンジョンが延々と続くのはぼくも退屈だった。
 開発者の満足だけで進めると失敗につながるという良い教訓だ。
 この教訓のおかげで、任意の広さの簡単なダンジョンを作れるアルゴリズムも必要だと気づけた。そこで一本の経路上に部屋を置くアルゴリズムと二分木を参考にしたアルゴリズムの2つを追加した。前者をチェーン、後者をルートと呼んでいる。
 この2つに満足していたが、先日もっと迷路らしい複雑に折れ曲がった通路だけで構成されたダンジョンが欲しくなった。だが、巨大迷路生成には時間がかかる。そこで、10x10マスの小さな迷路ユニットを生成して、それらをつないで巨大迷路を実現した。これは、ぼくが幼い頃に発売していた迷路のおもちゃを参考にしている。メーカーに敬意を評して「ツクダオリジナル」と呼ぶことにした。だが、実はエポック社の商品だった可能性もあり頭を抱えている。
 これでアルゴリズムは4種類。だが、余計に満足は遠のいた。迷路の実現がぼくの考えを一歩先へと進めたからだ。

続く