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不審者界の流行

by 唐草 [2021/02/07]



 警視が公開した今どきの警戒すべき不審者像がネットで話題になていた。以下のようなポイントがある

・スーツなのにスニカー
・スーツなのにリュックサック
・スマホを常に見ている
・スマホから伸びたイヤホンを身につけている
・サイズの合わないスーツ

 こういう特徴をすべて兼ね備えている人を見たら、まずは特殊詐欺の受け子を疑うべきだそうだ。ポイントはスーツの着こなしが不自然な点らしい。
 今朝、こんな姿の人を見た。鏡に映ったぼくである。
 今日は自校の大学入試試験監督として駆り出されていた。先日の大学入学共通テストの試験監督に比べれば、自校の入試は気楽なもの。大学入学共通テストは、タイトなスケジュールと求められる業務精度が宇宙開発並みに高い。たった1つのミスが命取りに成りかねないような緊張感に支配されている。台風の日に2kmの丸太橋を全力疾走で渡っているような感じだ。今日の試験では予定時間を2秒超過してしまったが、これが大学入学共通テストだったら全国ニュースで落ち度として報じられても不思議はない。そういう世界。
 それに対して自校の入試は、期末試験と大差ない。いつもの仕事の感覚で気分で臨むことができる。
 それでも、スーツを身につけることにした。ほぼいつもどおりの装いの先生もいたが、誰がスタッフなのかを受験生が把握できるように務めるべきだろう。だから、ぼくは大学講師のコスプレのつもりで普段は着ていないスーツに袖を通した。
 馬子にも衣装とは言うけれど、実際には服を替えるだけでその役職になりきることはできない。スーツは特別な衣装ではないけれど、ぼくが着るとどうしても借りてきた衣のような雰囲気がでてしまう。何がいけないんだろう?肩周りのボリューム感に不慣れなせいだろうか?それともネクタイを締めた首周りに息苦しさを感じてしまうせいなのだろうか?
 どうしても何かが足りないアンバランスな雰囲気を拭えない。
 スーツに合う鞄なんて持っていないのでいつもの肩掛け鞄を使っている。試験では靴音を抑える必要があるのでスニーカーが推奨されている。ネット依存のぼくはスマホから手も目も離せない。
 試験監督として先生のコスプレをするつもりだったが、どう見ても冴えない受け子だ。