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アゴに来る

by 唐草 [2021/05/07]



 この1年でマスクは大きく成長した。コロナ前までマスクは、健康を守るための使い捨てアイテムだった。だが、その考えはすでに過去のものである。
 昨年のマスク不足を契機に洗って何度も使えるマスクに注目が集まった。また、どんな場面でもマスク着用が奨励されているので運動向けの呼吸しやすいマスクやファッションを意識したカラフルなマスクも種類を格段に増やした。必要に迫られたファッションの進化と考えると服飾史的にも興味深い出来事だろう。元々マスクへの抵抗感が少なかったここ日本では、マスクが進化したこともありコロナが収まった後も多くの人がさまざまな目的でマスク着用を続けていくのではないかとぼくは考えている。
 マスク進化に合わせてぼくも着用するマスクが変わってきた。以前は不織布マスクだったが、今はユニクロのAIRismを愛用している。何度も洗えるので選んだが、冷めやすく乾きやすい素材なので汗ばむこれからの季節に活躍するだろう。
 AIRismマスクにも欠点はある。ぼくのように慢性鼻炎持ちで口呼吸しがちだと呼吸をするたびにマスクが口の中に入ってきてしまう。マスクとしての空気遮断性能が高いので、呼吸量が減ってちょっとしたセルフ窒息状態になって苦しいことも多い。柔らかい素材で顔への密着度が高いゆえの弱点だ。
 人体とはよくできたもので、息苦しさを感じると無意識のうちに対応を始めている。ぼくの場合、マスクの密閉度を減らそうと無意識のうちに下顎を突き出している。そのときの横顔は、きっとチンパンジーのようになっているに違いない。幸いにもマスクのおかげでそのマヌケ面を隠せている。
 下顎を突き出すことで呼吸の改善はできているが、それは不自然な顔の状態。AIRismマスクを長時間していると決まってアゴが痛くなる。マスクがしっかりと役目を果たしてくれている結果とは言え、このままだと顎関節症を再発してしまいそうで不安が残る。
 口に入らないようにAIRismを改造するべきなのかもしれない。マスクはカスタマイズの時代に突入したようだ。