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エンターキー禁止

by 唐草 [2021/12/02]



 連絡手段にメールを使い続けてきたぼくやその上の世代が、SNSで若い世代とメッセージをやり取りすると途端に世代差が顕になる。1回の投稿に言いたいことをすべて詰め込もうとするので、メッセージが長い。LINEを使っているとスマホの画面の半分ぐらいを1つの吹き出しが覆い尽くす。吹き出しの高さは、そのまま年齢の高さだと言っていいと思う。
 連絡手段がSNSに取って代わったとは言え、長年親しんできたメール文化からは脱却できないままだ。機器やアプリが最新だったとしても、使う人間の脳ミソが平成前期仕様からアップデートできていないのでは意味がない。
 残念ながら、ぼくはアップデートできてない側だ。最先端のものを追っているつもりだったが、いつの間にか先頭争いから脱落していた。共に競い合っていた同世代が、同じタイミングで脱落していたので自分が後退していることに気づけていなかったようだ。
 幸いなことにぼくの周囲には二十歳前後の若い学生が多い。彼らのやり方を盗み見ることで、最前線に復帰することは無理だとしても、自分がどのくらい遅れているのかを自覚することはできる。
 自分を律するためにも、そして学生が扱いやすい環境を導入するためにもメールを最小限に抑えようと四苦八苦している。LINE、Slack、Teamsの3アプリを切り替えながらてんてこ舞いで連絡を交わしている。そして、Teamsを使う度に自分の頭がいまだに1投稿ですべてを済ませようとするメール脳であることに気付かされる。
 Teamsはエンターキーを押すと投稿される。つまり、2行以上打つことを想定していないアプリだ(改行はShift+エンター)。それなのにぼくは、メッセージを書いているときに何度も改行しようとする。その度に中途半端なメッセージがタイムラインに流れていく。これを慌てて自己編集するところまでお約束。
 エンターキー使用禁止ぐらいの強いルールで自分を縛らない限りメール脳からは抜け出せそうにない。でも、エンターキー使用禁止にすると漢字変換にひどく苦戦しそう。