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鬼退治

by 唐草 [2022/08/09]



 以前、近所にオーガキラーがいるという冗談を書いた。鬼退治を生業としている人がいるわけではない。オーガキラーというのはぼくが付けたあだ名。しかも、実際には見たことのない人へのあだ名だ。
 由来は、ポイ捨てしている清酒「鬼殺し」の空きパックにちなんでいる。たぶんアル中で、パック酒をストローでチュウチュウ吸いながら家路についているようだ。ちょうど我が家の近くで飲み終えるらしく、意図していないだろうがほぼ同じ場所に紙パックを捨てていく。これが由来。
 迷惑な姿なき隣人だ。とは言え、いつ通っているかも分からない酔っ払いを待ち受けて文句を言うのも難しいし、そんなヤツに時間を割きたくない。だから、紙パックはハズレくじを引いた住民が黙って片付けていた。
 どうしてもオーガキラーを許せない人もいるようだ。自分の正義に反することを許せない人には我慢ならないのかもしれない。近所に住む正義マンが立ち上がってしまって、様相は静かな泥沼になり始めている。
 この正義マン、ちょっと厄介なオジサンで近所の人は関わらないようにしている。今までにも犬の糞に怒って行動を起こしたこともあった。これだけなら善良な市民に聞こえるかもしれない。でも、近隣の月極駐車場の空きスペースを勝手に花壇にして管理会社と揉めているのを見て以来、自分の正義しか貫かない人間だということが露呈した。
 今回はオーガキラーに怒っている。落ちていた紙パックを透明な袋に入れて、ポイ捨てポイントのフェンスにくくりつけている。犬の糞に抗議したときと同じやり方だ。
 犬の散歩ならゴミ袋に気づくだろう。でも、今回は相手が悪い。オーガキラーは深夜の酔っぱらい。ポイ捨ての自覚もないだろうし、どこで捨てているかも分かっていないだろう。
 だから、何に効果もなくポイ捨ては続いている。
 その結果、フェンスは小さなゴミ袋で溢れている。見た目は最悪。オーガキラーと正義マンのどちらが景観を乱しているか考えれば、答は明白。
 ここはオーガキラーに頑張ってほしい。正義マンという現代の鬼を倒してくれ。