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タワーオフェンス

by 唐草 [2022/08/16]



 ゲームのジャンルの1つに「タワーディフェンス」というのがある。ステージに兵器や罠を設置して、進軍してくる大量の敵から自軍の砦(タワー)を守るゲームだ。戦略性が重要なものもあれば、状況変化に素早く対応できるリアルタイム性が求められるものもある。
 求められる要素は作品によってまちまちだが、敵の波状攻撃から自軍の砦を守るゲームは一様にタワーディフェンスと呼ばれている。パンの間に何かが挟まっていれば、具の量や種類に関わらずサンドイッチと呼ぶのと同じぐらいいい加減なジャンル定義である。
 タワーディフェンスというジャンルは確立している。一方、攻防の立場を逆にして物量で相手を攻め落とすゲームは少なく、それをタワーオフェンスと呼ぶことはない。なんでだろう?
 相手が頑張って築いた砦を自軍の犠牲を厭わず物量に物を言わせて蹂躙するのは、覇権を握った大国の指揮官という感じで楽しそう。敵が弾切れになるまで兵を進め、堀を自軍の屍で埋めて進んでいく。そんな血なまぐさいゲームがあっても良いのではないだろうか?
 さすがに人間対人間という設定で上記のようなことをするのは倫理的にまずい。全年齢のゲームにはならないだろう。でも、ロボット対ロボットとか自分が魔王で手下をモンスターとかにすれば血生臭さは消えるはず。
 探せば、こんなゲームもいくつかあるだろう。でも、ヒットした記憶はない。一般受けが悪いのか?それとも単純に楽しくないのか?
 理由を確かめるには、実際にタワーオフェンスゲームを作ってみるのが手っ取り早いだろう。というわけで、企画を練ってみた。
 すると5秒でオフェンス不人気の理由がわかる。
 あらかじめ罠や兵器をセットしたステージを作るのが面倒なのだ。タワーディフェンスだったらステージごとに敵を強くするだけでいい。でも、タワーオフェンスだとレベルごとにステージを複雑化していかないと同じことの繰り返しになってしまう。タワーオフェンスよりもタワーディフェンスが多いのは、レベルデザインの手間という制作側の都合もありそうだ。
 最大の敵は製作者の熱意なのかもしれない。