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今度こそ椅子を買う

by 唐草 [2021/07/18]



 今、自室で使っている事務椅子は中古で購入して既に20年近く経った。座面の劣化が激しく、カバーの角が裂けてクッション材がむき出しになっているし、むき出しのクッションが毎日少しずつ欠けているという有様だ。20年近くも使ったんだから十分に元は取れた。それでも、ぼくは買い替えを渋っている。
 座面以外は特に問題はなく、背もたれや椅子の軸のスプリングは今でも体の動きに合わせてしなやかに動いてくれる。椅子としての機能の8割は無事だと言える。これが買い替えを渋っている理由ではない。ぼくが買い替えに消極的なのは、今の椅子に体が馴染みすぎてしまっているからだ。
 20年同じ椅子に座り続けてきたので、尻の位置から背もたれの動きに至るまですべてがぼくの一部となっている。体を椅子に合わせるのが普通の考え方だろう。ところが、ぼくとこの椅子の関係性は逆転してしまっている。自分を椅子に合わせた結果が、今のぼくの体なのである。だから他の椅子に座ると大抵の場合、強い違和感に襲われる。
 同じ椅子が今でも販売されていれば話しは簡単なのだが、20年も前のモデルは既に売られていない。後継モデルはあるが、だいぶ変わってしまったように見える。きっと今ほどのフィット感は無いだろう。
 あまり多くの椅子を試したことは無いけれど、この椅子以外に1つだけ及第点を与えられると確信している椅子がある。それが、職場で使っているハーマンミラーのアーロンチェア。アーロンチェアを使うようになってから、職場で腰痛を意識することはなくなった。
 アーロンチェアも古い椅子だが、大人気商品なのでリマスターモデルが現役。また、1年以上の使用経験もあるので購入した後に体にフィットしないという悲劇に見舞われることは絶対にない。乗り換えるのならアーロンチェアがベストに思える。ただし問題が1つ。価格が20万円以上もするということ。腰のケアと考えたら妥当な額なのかもしれないが、ワンクリックで気軽に買える額ではない。
 ぼくの腰の運命は、20万円を出す覚悟を決められるかにかかっている。