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時を超えて役に立つ

by 唐草 [2022/11/01]



 昨日書いたように現在の文字化けは、文字コードの互換性ではなく対応フォントが無いことが原因だ。いくら文字コードをUNICODEで統一しても、フォントに該当する字形がなかったら意味がない。
 この問題を完全に解消するには世界中でフォントを共有するしかない。Webフォントの登場でインターネット上でのフォント共有は実現しつつある。でも、ライセンスの問題もありすべてのフォントを共有するのは不可能。それにインターネット限定では氷山の一角でしかない。
 Webフォント以外でもアプリや開発環境ごとに様々な方法で問題解消に取り組んでいる。PDFを筆頭によく行われているのが、書類で使っている文字だけをコピーした限定的なフォントセットを生成する方法。書類にフォントを組み込んでおけば文字化けすることはない。
 今、ぼくが使っているソフトも多言語化するには使う文字を登録する必要がある。「このフォントのこの文字を使います」と宣言すると超高解像度の画像として文字を出力してくれる。出力された画像にはお経のように文字が並んでいる。隙間を最小にして文字を詰めるせいかファイルに並んだ文字は不思議に波打っている。その様は、なぜか耳なし芳一を連想させる。
 日本語フルセットは約7,200文字。すべて書き出すと4K画面8個相当の8196 x 8196ピクセルの超巨大画像になってしまう。容量も大きいし、含んでいる文字の90%以上は使うことがない。だから、すべての文字を書き出すのは無駄。
 使う文字を厳選してファイルサイズを減らすべきだ。ひらがな、カタカナ、数字、アルファベットは全部ほしい。削るべきは漢字。では、どの文字を残すべきか。
 あれこれ考えてたどり着いたのが常用漢字だった。常用漢字に触れるのなんて中学生の漢字テスト以来。常用漢字なんて当時はただただ面倒なテストの題材でしかなかったが、今見ると選択文字の使い勝手の良さに感服してしまう。
 世の中に役に立たないことなんてない。役に立てられない無能がいるだけだと常用漢字一覧を見ながら自戒するのであった。