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ぜんざいの懐

by 唐草 [2023/01/17]



 先日、スーパーの安売りでレトルトの「ぜんざい」を購入した。寒い冬の日に静かに甘いものでも食べて温まろうという日本人らしい冬の楽しみを思い描いて3袋も買ってしまった。
 1袋目を今日食べた。美味しかったけれど、期待していたほどではなかったというのが正直な感想。小豆しか入っていないプレーンなぜんざいだと食べている途中で飽きがくる。
 気がつけばぜんざいは、豆しか入っていない彩りのない豆のスープのような退屈な存在としてぼくの目に映っていた。
 残りの2袋を楽しく食べるために味変をさせたり、食感にメリハリをつけたい。そのためには何かをチッピングするのが良いだろう。ぜんざいのトッピングといえば餅と白玉が定番だ。あいにく今はどちらも家にない。スーパーへ行けばパック餅は買える。でも、残り2袋のぜんざいに対して1パック数百グラムの切り餅は多すぎる。その餅と小豆の比率では、ぜんざいではなくあんこ餅と呼んだほうがいいだろう。
 分量を調整するのであれば自分で白玉を作るという方法もある。以前白玉を作ったことがあるが、これもなかなか面倒な作業。レトルトの手軽さを台無しにしてしまう。
 餅と白玉以外でぜんざいにあうトッピングって何かないだろうか?
 懐中汁粉に倣ってモナカの皮を入れるというアイディアが浮かんだが、モナカの皮だけを入手するのは難しい。わざわざモナカを買って皮だけを剥ぐのも妙な話だ。剥いだとして中の餡だけを食べるのは本末転倒だ。
 小さなあられが入ったぜんざいもある。そんなものお茶漬けの元にしか入っていないし、家にあるあられは醤油味の濃い堅焼きあられだけ。考えるまでもなくぜんざいにはミスマッチ。
 フルーツを入れるなんて話も聞いたことはないし、油っぽいものは合いそうにない。
 トッピングをあれこれ考えたものの、どうもいいアイディアが浮かばない。ぜんざいって思っていたより間口の狭い食べ物なのかもしれない。だいぶ気の長い話になるが、もしもレトルトぜんざいが夏まで余るようなら凍らせて偽小豆バーにでもしよう。