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久々のベガス

by 唐草 [2022/04/05]



 アメリカの人気ドラマ『CSI』シリーズが、数年の沈黙を経て復活した。スピンオフでもリブートでもなく正当な続編。スピンオフを含む旧作のすべてを見たファンとしては、無視できない存在だ。
 先日、PRを兼ねて日本語吹替版の第1話が無料放送された。この期を逃すものかと、久しぶりに定時にテレビの前に陣取った。最近はサブスクでしかドラマや映画を見ていないので、時間に合わせてテレビの前に座るという体験が久しぶり。
 ドラマは旧作のファンを満足させる作りだった。旧作の出演者が引き続き活躍しているというのも嬉しいし、気を抜くと物語の展開についていけなくなるぐらいに内容が詰め込まれているのも良い。このドラマは1話で2つの事件を並行して扱うので慣れるまでは見にくいが、慣れてしまうと伏線の貼り方やテンポの良さが癖になる。数年ぶりに頭を使いながら集中してドラマを見た。
 作品の内容は、正当な続編にふさわしい作りだった。ただ、放送が休止していた間に変わったことも多い。サイバー犯罪が増えたとか、科学捜査の技術が進歩したといかドラマに関わる世間の変化も大きい。世間が変わったように、ぼくもわずかながら変化している。
 ゲーム『Fallout:New Vegas』をプレーしたおかげで、ドラマの舞台となるラスベガス周辺(ネバダ州南端とカリフォルニア州東端)の地理に少しだけ詳しくなっている。ゲームの地図は縮尺も配置も現実とは異なっている。それでも、アメリカ人が「ベガス周辺だ」と納得できるデフォルメ。歓楽街の地名、その周囲の砂漠と山々、乾燥した大地に流れるコロラド川とミード湖のフーバーダム。精度は低いが、ラスベガス周囲をぼんやりと想像できる。
 旧作ドラマを見ていたころは、ラスベガス周辺のことなんて何も分かっていなかった。地名が出ても、それが街の名前なのか自然の名前なのかも分からなかった。歓楽街から出るとすぐに砂漠だということもドラマで知った。
 ゲームを経た今は、違う。知った場所での事件を見ている気分になれた。これがご当地ドラマの正しい楽しみ方だろう。