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巨大企業からの請求書

by 唐草 [2022/04/06]



 ぼくにとって請求書は自分で書くものであって、送りつけられるものではない。請求する立場が大多数で、請求される立場に回ったことは数えるほどもない。アメリカのドラマでドサッと届いた請求書の束にうんざりするという演出を目にすることがよくある。その意味を理解することはできても、その心情に自分を重ねるのは難しい。
 そんなぼくにとって請求書が届くというのは数年に一度の一大事だ。しかも、使った記憶のないサービスからの請求書となれば、様々な不安が頭を過る。
 たった一通の請求書メール、しかも「請求書」という文字が含まれたメールのタイトルだけで、ここまで心がかき乱されるとは思ってもみなかった。
 請求書の発信元はGoogle。こういう巨大企業から請求書メールが届くとまっさきに疑うのは詐欺だ。次点で、乗っ取り等による不正利用。Googleのサービスはいくつも利用しているが、すべて無料で使える範囲に抑えているので請求書が届くことはないはずだ。冷静に考えれば考えるほど、ますます危険なメールに思えてくる。
 この請求書がフィッシング系詐欺メールならば開かず捨てたほうが安全だろう。でも、不正利用だったら中身を確認して、然るべきところに申し出ないと被害は拡大し続けることになる。
 添付ファイル付きというのも怪しさ満点だ。ぼくの経験が、開くなと告げている。一方でGmailのウイルススキャンはクリアしているので、最低限の安全は担保されているように思える。
 開くべきか?開かざるべきか?
 迷った末に、時間をおいて冷静さを取り戻してから開くという妥協案を選んだ。コーヒーを飲んで一息入れてから用心深くメールに向き合った。
 メール本文には、支払いのためのリンクが有るだけで請求額や内容は何一つ書かれていない。かなり怪しい。恐る恐る添付のPDFを開く。
 そこには仰天の内容が書かれていた。
 請求額0円。内容はカラクサラボクラウドの使用料だった。
 0円なのに請求書が届くのね。こういうのは、ケチで臆病なぼくの心臓に悪いからやめてほしい。なにより0円の請求書送る経費が無駄でしょ。