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混沌を隠す

by 唐草 [2022/04/26]



 先日、仕事机の上を這い回る何本ものケーブルのせいで机が雑然と見えると書いた。たかがケーブル。そんなものをいちいち気にするなんて神経質な奴だと思う人もいるかもしれない。
 だが、ミニマリスト的なぼくにとっては無視できない大事。部屋はジャンク置き場一歩手前の荒れた状態でもいいが、仕事をする場所だけは整然とさせておきたい。これがぼくのポリシー。PCのデスクトップにアイコンが散らばっているのが許せないのと同じだ。ケーブルを視界に入れたくない。
 キーボードを動かそうとしたらケーブルが引っかかってPC本体が動いてしまう。マイクを近づけようとしてもケーブルが絡まっていて動かない。ひとつひとつは小さなことだけれど、机の上を這うケーブルにストレスを感じる事が多かった。
 そんなケーブルは、想像以上に大きなぼくのストレス源の1つだったようだ。
 そうと分かれば早急に対処をしよう。
 と言うわけで、目に見えるケーブルを可能な限り隠すことにした。本当は数を減らしたいのだが、有線信者のぼくにそれは無理な相談。次善の策として「隠す」という消極的な方法を選んだ。見えなければ、存在しないのと同じだ。
 隠し方は単純。ケーブルボックスや配線用の管を用意するわけではない。すべてのケーブルを机の裏側に通すだけ。モニタより手前の作業領域にケーブルが這わないようになれば十分だ。
 すべてのケーブルを外して、机と壁の間のわずかな隙間へ放り投げた。そして、必要最小限の長さだけを引き出して接続し直す。
 こんな単純なことでも効果は絶大だった。机の上の情報量は激減。わずかに覗くケーブルもまっすぐ伸びているので、見せる収納のように整然と見える。満足できる成果に顔も自然にほころぶ。大きなストレスがスッキリ消えた。
 ただし、絶対に机の下を覗き込んではいけない。大量のケーブルが、枯木に絡む蔓のように絡まっている。
 確かに机の上はきれいになった。でも、真に片付いたわけではない。混沌を見えないところに押し込み、見ないふりをしているだけ。
 過去ログを検索したら恐ろしい事実が判明した。3年前にほぼ同じことを書いていたのだ。