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光線の元祖

by 唐草 [2022/05/16]



 手から光線を発射して攻撃するのは、フィクションの世界ではありふれた行為。魔法力を飛ばす人もいれば、高めた気を放出する人もいる。ありふれた表現なので作中に出てきても驚くこともないし、修行すればできるようになるだろうぐらいにしか思わない。
 小学生の頃に「一度だけ小さいやつなら出せたことがある」と言っていたクラスメートがいたが、嘘だと糾弾する気にはなれなかった。それよりも可能性に賭けたくなる気持ちのほうが勝るほど身近な行為だったからだ。
 現実には、レーザー兵器ですらまだ実用化していないし、手からものを自由に射出する人だっていない。それなのにぼくらは手から射出される光り輝く技に違和感を覚えることはない。
 今でこそパンチやキックと同等に扱われる手からの光線攻撃だが、いったいいつから存在していたのだろう?可能であれば初出や市民権を得るに至った機会を知りたい。
 ぼくにとっての手から出る光線攻撃の元祖は、『ドラゴンボール』の「かめはめ波」だ。ぼくと同世代だったらアニメを通して悟空の修行を知っている。同じことをすれば自分だって「かめはめ波」を撃てると思って、構えを真似た人も多いだろう。
 この体験があるので、その後ストリートファイター2で「波動拳」や「ソニックブーム」を見ても何の違和感もなかった。むしろ、飛ばす技のないキャラに「もっと修行しろよ」とガッカリしたものだ。
 ぼくの原体験は「かめはめ波」だが、これが初出とは思えない。もっと昔から同じような技があっただろう。
 STARWARSではレーザーブラスターがビュンビュン飛んでいる。公開当時から光線攻撃に違和感はなかったようだ。でも、フォースで光線を出す描写はない。未知の力は、見えない力として描かれていた。
 自分が生まれる前のことはよく分からない。こう言うことは年長者に聞くのが一番。ぼくの親世代に聞いてみた。
 返ってきたのは『ウルトラマン』の「スペシウム光線」だった。
 光線攻撃や火の玉を飛ばすという考え方は、ウルトラマンよりも前からあっただろう。でも、映像として広く認知されたのは特撮王円谷英二の功績なのかもしれない。