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コーヒーの好み

by 唐草 [2022/06/04]



 血の1/3はコーヒーでできていると豪語している。けれど、コーヒーに強いこだわりはない。豆はアフリカ産でも南米産でもいいし、淹れ方はドリップでもエスプレッソでもいい。コーヒー牛乳でさえ嬉しそうに飲むんだからカフェインの有無すら関係ない。唯一のルールは、ミルクを入れて飲むことだけ。そのミルクだって市販の牛乳で十分。乳脂肪の量なんて気にしない。
 ようするにコーヒーと自称している茶色い液体だったら、泥水だって飲んでしまうということ。どんなコーヒーも、それぞれの美味しさがある。
 これまでにさまざまなコーヒーを飲んできた中でもお気に入りの味がある。数年前に色々飲み比べて「苦味」よりも「酸味」が前面に出ている豆に落ち着いた。ローストも酸味を活かす浅煎りのものばかり。
 以来、自分のことを酸味コーヒー好きと信じて疑わなかった。
 どうやらそれは、間違っていたようだ。
 数ヶ月前、ぼくを遥かに上回るコーヒー好きの知人から極浅煎りで酸味の強い豆をもらった。これを粗挽きでさっとドリップするのが最近流行りのスタイル。強い酸味と香ばしすぎない香りの組み合わせから「フルーティー」と呼ばれることもある。
 酸味コーヒー好きなら楽しめそうと思ったのだが、好きな味ではなかった。ブラックを前提にしているのも苦手だったが、フルーティーさを感じるほどの酸味はコーヒーに思えなかったというのが率直な感想だ。
 そして先日、別の友人からコーヒーを貰った。その豆はロースト強めの苦味重視の豆だった。酸味系の豆ばかり買い続けていたので、こういうシンプルな苦味系の豆は久しぶり。
 ゆっくりドリップして濃いめに出した。
 牛乳に負けないガツンとした苦味が一瞬舌の上を走るが、すぐに消えて芳ばしい香りが鼻へ抜けていく。これぞ理想的なコーヒーだと心の底から感じた。
 長年酸味系ばかり飲んでいたから久々の苦味系が新鮮に感じたのだろうか?それともぼくの好みがガラッと変わったのだろうか?
 どうも好みが変わったような気がする。大切なのは素直に変化を受け入れること。次から買う豆を変えよう。