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引き際の美学

by 唐草 [2022/08/12]



 スポーツ選手が引退するタイミングって、いつが一番いいのだろう?
 ワールドチャンピオンを獲得したシーズンに引退した選手もいれば、勝ち目のない下位チームに席を置いてでも現役を長く続けようと努力した選手もいる。ナショナルチームの代表選から漏れたタイミングで引退した選手もいれば、2部リーグで最年長出場記録を更新する選手もいる。
 絶頂期で最高の成績を残して引退するというのは美しいかもしれないが、いつが絶頂期かなんていうのは後になってみないと分からない。チームメイトとの組み合わせによっては、今まで以上の活躍を示せるかもしれない。ルール変更がプラスに働くかもしれない。
 一方で明らかに衰えを見せているのに諦めない選手もいる。往年の姿を知るファンからは晩節を汚しているときつい言葉を投げかけられることもあるだろう。でも、過去の栄光にすがること無くその瞬間のベストを尽くす姿は、スポーツマンシップの体現と言えるだろう。
 ぼくは熱心なスポーツファンではないけれど、いくつかの競技でもっと活躍を見てみたかった選手もいれば、もういい加減引退したほうがいいのではと思う選手もいる。とは言え、それはぼくの価値観で判断した感想でしかない。
 個人ごとに競技に懸ける想いは違う。輝きに包まれたまま去るのも、泥まみれになってフィールドで力尽きるのもどちらも等しくその選手個人の生き様だ。外野がとやかく言うことではないのだろう。
 先月書いたが、ぼくは若い世代の考えを面白いと思えない出来事に直面した。ただ単に相手がつまらない若者だった可能性もあるが、客観的に考えれば考えるほど加齢によるパフォーマンス低下、つまりぼくが老いたと考えるほうが合理的に思える。
 そのことに気づいて以来、どのタイミングで今のポジションから身を退いて、次のステージに移行するかを考えることが増えている。
 ちなみにぼくは、ズルズル現役を続けるよりも絶頂期にスパッと辞めることに美学を感じている。でも、自分自身はそのタイミングを既に逸してしまったようだ。
 美しく生きるより強く生きよう。と宗旨変えし始めているが、これが老いなのか?