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赤いボタンがレアの印

by 唐草 [2022/08/18]



 RT3200というキーボードを入手した。今日の写真がその品だ。なかなかレアな品なので、キーボードマニアの血が騒いで興奮気味だ。
 一見なんの変哲もないテンキーレスキーボードにしか見えないが、よく見るとキーボード中央にある赤いボタンに気づくだろう。この赤いボタンがオタクを興奮させるポイントだ。
 赤いボタンは、IBM(現Lenovo)のThinkPadだけに搭載されている「トラックポイント」と呼ばれるもの。これでマウスカーソルを動かせる。いわば極小のマウスだ。
 その特徴は、マウスやトラックパッドよりもずっと小さいこととキーボードから手を離さずにカーソルを動かせることにある。癖のある使い心地だが、慣れると手放せなくなると言われる依存性の高い赤ボタンなのだ。
 このキーボードがレアなのは出どころが限られているから。今回の品の出どころも、すごい。
 これは、IBMのブレードサーバについていたものだ。ブレードサーバの廃棄が決まったので、キーボードだけを譲り受けた。コマンドしか使わないであろうサーバにトラックポイントが必要とは思えない。それでも、IBMブランドの威信にかけてもトラックポイントを外すという選択肢はなかったのだろう。
 そんな特殊な場所に納入されているので、実際に使うことは少なく美品が多い。だから中古でも定価並みの5,000円〜7,500円程度で取引されることもある。
 ぼくも状態の良い品をゲットできて笑顔が隠せないでいる。
 でも、弾数が少ないからレアなだけでキーボードの質はイマイチ。メンブレンなので打鍵感はフニャフニャでキレがない。2002年の品なのでUSBではなくPS/2接続。しかも、キーボード用とトラックポイント用の2系統の接続が必要。今どきのPCには2系統のPS/2ポートなんてついていないのがほとんど。USB変換をしないと使うことすら厳しい。
 なによりトラックポイントに慣れていないので、すごく使いにくい。どの指でボタンを操作すべきなのかすら分からない有様だ。
 でも、レア物ってだけですべてが許される。不毛なり、オタクの世界。