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パジャマ感の正体

by 唐草 [2022/08/29]



 毎年のことながら夏の間は、目が覚めても着替えず1日中パジャマ姿のままということが多い。特にコロナ禍以降は家の外に出ない日が増えているので、その傾向はますます顕著になっている。いまや平日でもパジャマ姿のままが珍しくはない。もはやパジャマ姿で机に向かって仕事をするのが日常だ。
 着替えるのは、買い物なので外出する時だけ。パジャマは一般的には寝るときにだけ身につける寝間着のはずだが、夏のぼくにとっては部屋着という位置づけのほうがしっくり来る。
 夏の普段着はTシャツに短パンだ。夏のパジャマも、半袖シャツに短パン。シルエットだけならどちらも同じようなもの。服の機能だけを考えれば、着替えても着替えなくても何ら変わりない。
 それでも家の外に出る時は必ず着替えている。パジャマというプライベートな姿で屋外に出るとオンとオフの境界があいまいになりそうだからだ。
 寝間着と普段着の境ってどこにあるのだろう?先にも書いたように着替えたところで見た目の変化はほとんどない。何をもってぼくは「着替えた」と認識しているのだろう?
 冷静に考えてみると、明確な基準は無いような気がする。あくまで自分自身で「この服は普段着で、こっちはパジャマ」と決めて、それに従っているだけにも思えてくる。そうであったとしても、着替えの前後で気分が大きく変わるのは間違いない。ぼくは何をもって着替えたと認識しているのだろう?
 着替えとは何なのかという疑問の答を見つけるために、夏に着るパジャマ3セットとTシャツ4枚、短パン2枚を並べてじっくりとパンイチで考えた。
 チープな哲学的な問に答をもたらしたのは、ファッションテクニックだった。
 上下の柄が一緒だとどんな服でもパジャマっぽく見える。たったそれだけのこと。だから、上がパジャマでも短パンを履いていれば普段着に見える。Tシャツの下にパジャマのゆるゆるなズボンを合わせれば、途端にパジャマではなくハワイアンになる。
 パジャマ感の正体は柄。
 だから、上下のセットを崩したパジャマで生活すれば毎日の寝間着感はゼロになる。