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素手ビルド

by 唐草 [2023/02/19]



 ゲームのキャラクター育成方針を「ビルド」と呼ぶ。自由度の高いゲームだとビルドでゲーム体験が変わることもある。脳筋ビルドですべての敵をなぎ倒してもいいし、知略ビルドで言葉巧みに戦いを回避してもいい。
 ぼくは数度ミスしても簡単には死なない高耐久ビルドが好み。重装甲で身を固めてHPが減らないようにした上で、多段ヒットや攻撃の速い武器にHP吸収を付けるのが鉄板。こうすることでダメージを食らう以上に回復する不沈艦になれる。
 このビルドの攻撃力は低いが、どんな場面でも余裕綽々。「楽っていうのは強いってことさ」をポリシーにしているぼくらしいビルドだ。
 保守的なビルドを好むぼくでも、普段と違う遊び方をしたくなることもある。先日から『Fallout 76』で他に採用している人を見ないビルドにチャレンジしている。
 それが「素手ビルド」。
 その名の通り武器を持たず己の拳のみで戦うビルドである。
 銃弾やビームが飛び交う戦場でただひとり拳を振るっている。メリケンや鉄の爪などの格闘武器もあるが、それらには頼らない。信じるのは己の拳だけ。
 素手の攻撃力は格闘武器の1/50ぐらい。一番弱い敵を倒すだけでも十数発パンチを打ち込む必要があるし、強い敵にはダメージが通らないこともある。素手はそれぐらい弱い。
 だが、ぼくはその逆境をはね退けた。スキルや防具効果を組み合わせることでパンチの威力はそのままでも複数の追加効果を同時発生させて敵を倒す方法を実現した。盛れる限り「命中時に追加ダメージ発生」みたいな効果を重ねまくった。
 その結果、パンチを打ち込むと約1秒後にパンチの50倍ぐらいのダメージが発生するようになった。中盤の敵なら一撃だ。
 この時差ダメージは、敵の秘孔を突いているようでキモチイイ。
 「お前は”すで”に死んでいる」とダジャレを言いたくなる。
 ところで、レアビルドを採用したぼくの姿は他プレーヤーの目にどう映っているだろう。高難度エリアに素手で乱入して、謎の時差ダメージで敵を倒していく。どう見ても寄生のチーター。誤解されて通報されないことを願うばかりだ。