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カメラにシール貼るけれど

by 唐草 [2023/02/25]



 コロナ禍でビデオチャットが普及して以来、多くの人がカメラはPCの必須装備だと考えるようになった。この意識改革は劇的だ。
 10年ぐらい前からノートPCの画面上部には小さなカメラが搭載されていた。とは言え、コロナ禍前にそれを使う機会は限られていた。カメラを有効活用した経験のある人数よりも、不意に起動したインカメが写した自分の姿に驚いた人のほうが多かったのではないだろうか?
 使う機会が滅多に無いカメラは、余計な周辺機器とみなされることも多かっただろう。しかも、ただ余計なだけじゃない。場合によっては個人情報を不用意に撒き散らしたり、秘密を盗まれる小窓になるのではないかと警戒されてもいた。
 そのため、ノートPCのカメラに付箋やテープを貼ってプライバシーを守ろうとする人も多かった。ぼくの知人にも付箋を貼っている人がいたし、メタの社長のマーク・ザッカーバーグが自身のノートPCのカメラにテープを貼っているのが話題になったこともあった。
 テープを貼るのは原始的だが効果は抜群。PCが乗っ取られたり、コンピューターウイルスに感染してカメラ制御を奪われても対応できる。バカにはできないセキュリティー対策と言える。
 とは言え、不思議なことがある。なぜ多くの人はカメラを塞ぐだけで満足してしまうのだろう?
 確かに自分の顔を盗み見られるのは気持ち悪いことだ。YouTuberでも進んで自分の顔をネットに曝け出したいとは思わないだろう。
 カメラを塞いで満足する前によく考えてほしい。PCが取得できる使用環境情報はカメラを介した光学情報だけではない。内蔵マイクを介して周囲の音を録音することだってできる。もしPCを乗っ取られれば、周囲の人との会話から独り言、そして鼻歌にいたるまですべて筒抜けになる。会話を盗み聞きされれば、カメラ以上に機密が流出しかねない。
 はっきり言って現代のノートPCは、壁に耳あり障子に目あり状態なのだ。わかりやすい目を塞ぐだけじゃ不十分。それで満足するなんて言語道断。針穴のように小さなマイクを塞ぐことも忘れちゃいけない。
 まぁ、ぼくはどっちもやってないけれど。