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レストラン・チャオ

by 唐草 [2023/03/03]



 先日「CIAO」と書かれた看板を掲げる店舗を見かけた。建物の外観や装飾はレストランのように見える。この名前からしておそらくイタリアンレストランだろう。
 猫と暮らすぼくにとって「CAIO」といえば、ペットフードブランドでしかない。本来のイタリア語の挨拶よりも先に「チャオちゅーる」が頭に浮かぶ。そのせいで猫のレストランに思えてしまう。
 こんなファンタジーな妄想を膨らますのはお門違い。実際にはピザとかパスタとかが出てくるお店だろう。
 ”Caio”はイタリア語の挨拶。イタリア語はさっぱりわからないが、テレビなどで見るイタリア人は頻繁に”Caio”を口にしている印象がある。耳にした事が多いのだが、あまりにも連呼されているので出会いの挨拶なのか、それとも別れの挨拶なのかよく分かっていない。
 改めて辞書を引いたところ、ぼくが意味を解釈しかねていた理由がはっきりした。
 ”Caio”は親しい間柄で扱われる挨拶で、「こんにちは」でもあり「さようなら」でもあるそうだ。これって日本語にはない挨拶。ぼくが強引に日本語に置き換えようとしたせいで意味がわからなくなっていたようだ。
 この発見はぼくに新鮮な感覚をもたらしてくれた。
 さて、イタリア人はレストラン「CAIO」を見てどう思うのだろう?逆の立場に立って考えてみたい。
 日本人が、イタリアにあるイタリア人が経営する和食レストラン「こんにちは」または「さよなら」を見たらどう思うだろう?
 イヤな気分はしない。でも、なんかズレている感じが拭えない。
 フランクな挨拶だということを意識すれば「おはよー」とか「じゃあね」と訳すのもいいかもしれない。だが、こう訳してもレストランの名前としてはなにかズレているように思える。むしろ屋台のほうが似合いそう。
 ぼくは”Caio”という言葉が持つ文化的な意味を全く理解していない。あくまで辞書的な解釈で話を進めているだけ。なので、見当違いの仮説を披露している可能性もある。
 英語で考え直してみよう。ハンバーガーショップ”Howdy”はいい感じに聞こえる。もしかして日本語の挨拶が重すぎるのだろうか?