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マドレーヌの定義

by 唐草 [2022/04/03]



 先日、絆創膏の名前に地域差があることに触れた。似たような例に「今川焼き」と「大判焼き」がある。この素朴なお菓子の名前は、迂闊に口にするのが危険なほど種類があるらしい。一方で「桜餅」の長命寺と道明寺ように異なる作り方のお菓子に同じ名前がついていることもある。
 身近でシンプルな食べ物だからこそ地域ごとに独自の解釈がなされ、多様な呼び名が生まれるのだろうか?
 そう考えると「たい焼き」はすごい。今川焼きとほとんど同じ作り方なのに、日本中で「たい焼き」と呼ばれている。魚型の分かりやすい見た目と縁起物の鯛という組み合わせが、他の名前を寄せ付けないのだろう。良いブランディングだ。
 今川焼き名称問題のような話は、世界中どこにでもあるのだろう。日本に入ってくるのはその国の代表みたいなものだけなので、各国で繰り広げられている名称を巡る戦いを耳にすることは滅多に無い。そう言えば、アメリカではバゲットで作るイタリアンサンドイッチ(サブウェイとかドトールのみたいなサンドイッチ)にいくつかの呼び名があるそうだ。地域によって「サブ」、「ホーギー」、「グラインダー」と異なる呼び方をしていると聞いたことがある(Falloutで知った)。日本ではどれも聞いたことがない。
 海外の食文化のことなんて全然分かっていない。サンドイッチ以外にも、このことを痛感する機会があった。
 それが「マドレーヌ」と「フィナンシェ」の違い。恥ずかしながらぼくは、この2つの違いを完全に勘違いしてボーッと生きていた。ホタテの貝殻型に焼かれたのが「マドレーヌ」で、シンプルに四角く焼いたのが「フィナンシェ」だと思っていた。つまり、日本で言うところの「たい焼き」と「今川焼き」のような関係だと考えていた。
 実のところは全然違った。全卵を使うのが「マドレーヌ」で、卵白のみを使うのが「フィナンシェ」となるそうだ。あとは溶かしバターと焦がしバターの違いもあるらしい。作り方が重要で形は二の次だそうだ。
 1つ言えるのは、どちらも美味しいということ。ぼくには。それで十分だ。