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壊れたものをさらに壊す

by 唐草 [2017/05/04]



 トラックボールの布教に心血を注ぐぼくだけれども、いまだ芳しい成果は何一つ上げられていない。それどころか、世間はトラックボール派の最大のライバルであるマウスの存在すら忘れ始めている。今や、画面をベタベタ素手で触るのがスタンダードな時代なのだ。
 仕事をしているときは、常にトラックボールを触っている(ちなみに今も)ぼく。だが、マウスを使わないという訳では無い。なにもトラックボール原理主義というわけではないので、用途に応じて適切に使い分けを行っている。
 ぼくにとってマウスが活躍すする瞬間。それは、ゲーム。
 ここのところコントローラーばかり握っていたが、久しぶりにキーボードとマウスでプレーするゲームを遊ぶ機会があった。
 やや埃を被ったマウスを引っ張り出してゲームスタート。
 ところが、握った瞬間に違和感があった。マウスの左ボタンのクリック感がまるでない。押してもカチッと音がしないどころか、指を置いただけで何の抵抗もなくボタンが沈んでしまう。明らかにおかしい。
 きっと、先日猫がマウスを落としたときに、スイッチ内部のバネが外れてしまったのだろう。
 そう推理して、マウスを分解修理することにした。
 外装を外して、基板にハンダ付けされたスイッチを分解した。
 予想通りにスイッチ内部の板バネがずれていた。それどころか、板バネが曲がっていた。どうやら想像以上の衝撃で落下したようだ。
 ピンセットなどを用いて曲がった板バネを伸ばそうと懸命な努力を続けた。
 しかし、1cmにも満たない金属部品を適切な工具無しに修正すること自体が誤った判断だったことを思い知らされることになる。
 1時間ほど板バネとか格闘した結果、曲がった部分はポッキリと折れてしまった。もう、これは直せない。
 結局1時間の精密な作業の末、壊れかかったマウスを完全に壊してしまった。まさに骨折り損のくたびれもうけとはこのこと。