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テールライトを灯せ

by 唐草 [2018/09/07]



 ここ最近、生活スタイルが一変したので暗くなってから自転車に乗ることが多くなった。趣味のサイクリングだといいのだけれど、あいにくそうではない。職場からの帰り道の話である。
 ライフスタイルの変化は、ひとつの問題を浮上させた。通勤に使うクロスバイクにはテールライトが付いていないのだ。安全とは言えない状況だ。一刻も早くテールライトを付けたいと思っている。実は、既にせわしなく点滅する自転車用のLEDライトが手元にある。それなのに自転車に設置できていない。この相反する状況に陥っているのには、単純な理由がある。自転車にライトを付けるのにちょうどいい突起や輪っかが無いからだ。泥除けすら付いていない裸のような自転車にどうすればテールライトを灯せるのだろうか?
 しばし悩んでいたらLEDの輝きのように鋭く閃いた。自転車に明かりを付けるのではなくて、ぼく自身に明かりを付ければいいではないか!まさに逆転の発送である。
 という訳で、カバンの肩紐やジッパーなどいろいろなところにライトを取り付けようと試みた。だが、残念なことにぼくのカバンにも都合のいい突起や輪っかはついていなかった。煌々と輝くライトがあるのに引っ掛ける場所がないから使えないというのは悔しすぎる。ここは創意工夫で乗り切りたい。
 最初は携帯ストラップの紐を流用しようとした。でも、紐が長すぎて体を動かすたびにライトが生きているように動きまくってしまった。しまいにはひっくり返って鞄の中を照らしていた。これじゃダメだ。次に大きめのカラビナを使おうとしたが、縦にしても横にしても大きすぎてライトのフックに挟まらなかった。ぼくの悪戦苦闘も虚しく、ライトとカバンは離れ離れのまま時間だけが過ぎていった。
 この状況を打開するには、「強く挟めて、小さくて、細いもの」が必要だ。そこまではたどり着いたが、答を見つけられないでいた。
 頭を抱えて悩むぼくの前には、几帳面というより神経質という表現が適した書類の束がいくつか並んでいた。その束は、ダブルクリップでしっかりとまとめられていた。
 本日に2度めの閃きがやってきた。
 これだ!ダブルクリップこそ、まさにぼくの求めていた「強く挟めて、小さくて、細いもの」じゃないか。という訳で、クリップのつまむ部分を駆使してライトをカバンに留めることにした。様々な角度からクリップでライトを挟んで、落ち着きのいい場所を探していく。なんだか出来損ないの知恵の輪と格闘しているような気分になったが、どうにか収まりのいいはさみ方を見つけることができた。
 まさか文具が自転車で活用されることになるとは。ぼくも驚きだし、クリップもビックリだろう。あとはこの試みがうまくいくことを願うのみである。