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野球観戦

by 唐草 [2019/05/13]



 先日、つけっぱなしにしていたテレビで始まった野球中継をゲームセットまで見てしまった。テレビでプロ野球の中継を見るのなんていったい何年ぶりだろう。ぼくはプロ野球には、まったく関心がない。セパ12球団の名前は言えるつもりだが、数年前のデータで止まっている可能性がある。ましてや、選手の名前なんて誰一人分からない。なんか聞いたことのあるような選手がいたとしても、同じ名字なだけで別の選手かもしれない。
 そんなぼくだけれども、気が付いたら作業の手を止めて中継に見入っていた。試合展開は割と硬直した感じだった。素人目に分かる派手な動きなんて全然なかったにも関わらずに見入ってしまった。どちらが勝つかドキドキしながら最後の一球まで目を離せなかったのだ。素直に認めよう。とても面白い中継だった。
 これまでの人生の中でプロ野球の中継を見たことは何度もある。でも、先日の試合のようなペナントレース序盤の取り立てて花のない試合をこんなにも熱を入れて見たのは初めてだ。いったい何が良かったのだろう?
 野球中継を見るのが十数年ぶりの経験だったので、新鮮な気分になれたというのはあるかもしれない。でも、それだけではない。中継自体が良かったように思える。
 ぼくが見たのはNHKで放送されていた試合だった。NHKの放送なのでCMが入らない。攻守交替の間も中継は続く。これが良かったように思える。
 ずっと球場が映っているので「野球を見よう」という興味が削がれないのだ。たぶんCMが入っていたら最初のCMで集中力が失われてテレビを消していただろう。同様に放送席とかのゲストを写さなかったのも良かったのかもしれない。球場へ観戦に行っているファンと同じようにグラウンドだけを見ている。このことが、ぼくを野球観戦に繋ぎ留めていた。
 地上波では野球中継を見なくなって久しい。試合時間が定まっていない競技は、テレビとの相性が悪い。そのことが野球中継をテレビの隅に追いやったのかと思っていた。そうじゃなかったんだ。中継中に何度も何度も入る賑やかなCMが、視聴者の集中をかき消し、視聴を断念させていたに違いない。
 スポーツ観戦の面白さは、予期せぬ展開に身構え固唾を飲んで集中することにあると思う。視聴者が求める姿勢を蔑ろにして従来のTVCMモデルを続けた結果が、野球中継の消滅だったんだろうなぁ。そう考えるとなんとも皮肉なものである。
 CMの入らない静かな中継のおかげで、ぼくはプロ野球の面白さを少しだけ見出すことができた。