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キノコアゲイン

by 唐草 [2019/10/29]



 10月の豪雨は、各地に甚大な被害をもたらした。道路や家屋、農作物への連日報道されていている。きっと、報道されていない被害もたくさんあるのだろう。多摩川の被害だと二子玉川など下流の被害がクローズアップされているが、上流や中流でも被害はでている。ぼくの身近なところでは、幹線道路の橋がずれていまだに通行止めが続いている。
 自然に目を向ければ、報道で見聞きしている被害とは異なる状況も見えてくる。焼け野原のようになって草木が根こそぎ流された多摩川の河川敷では、多くの生き物が住処を失ったり、命を絶たれたりしたことだろう。聞いた話によると、台風の雨風でスズメなどの小さな野鳥が多く犠牲になったらしい。小さな生き物は台風にさらされると雨風を防げず全身ずぶ濡れになって体温を奪われ死に至るそうだ。
 痛ましい被害にばかり目が向いてしまうが、自然というのはぼくらが思っている以上にたくましいものらしい。ならば台風の被害でダメージを受けたものもいる一方で、この特異なまでの雨量を糧に勢力を伸ばしている生き物だっているはずだ。環境が破壊されることは、新たな進化へのパラダイムシフトを生み出す機会にもなり得る。
 ぼくは、今回の台風とそれに続く長雨を巧みに利用しているものを見つけた。
 キノコである。
 今年の7月も長雨続きだった。そのときに職場の芝生に多くのキノコが顔を覗かせていた話を書いた。雨が降るたびに増えていくキノコの勢いは、職場の緑を飲み尽くさんとするほどだった。でも、8月の暑さと太陽がすべてのキノコを焼き尽くした。干しキノコの痕跡さえ見つけることはできなかった。
 だが、キノコは滅んではいなかった。10月の長雨で完全復活である。
 芝生に植わる松の木の根本をみると500円玉大の傘を広げた栗色のキノコが、ポコポコと連なっている。松の木の根本ということは松茸なのか!?と一瞬興奮してしまったが、植わっているのは赤松ではなく園芸種の黒い松。枝ぶりは盆栽のように見事だが、ぼくらの食欲を満たしてくれることは無いようだ。それ以外にも黒く細い見るからに毒の気配のするキノコや、ナメコを連想させるつややかな赤茶色のキノコなんかも生えている。マリオのスーパーキノコのような赤い毒キノコを探してみたがあいにく見つけることはできなかった。
 キノコは大豊作である。自然はたくましい。