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永久保存版

by 唐草 [2019/12/31]



 年の瀬だというのに、服飾史関連の資料集めの仕事が残っていることに気がついてしまった。公表するものを作るわけではないので、ググった画像を張り合わせるだけで事足りる仕事だ。とはいえ、普段接点のない分野の資料集めである。何も考えずにググったところで、求めている資料が簡単に見つかるとは思えない。
 検索結果のいくつかの画像に見覚えがあった。この分野を調査するのは今回が初めてではないことをぼくは思い出した。大学2年生のときに、今回と同じ服飾史をテーマに取り上げた課題を制作したことがあった。楽しい思い出がまるで無いので自分のポートフォリオに載せてもいない隠された課題である。
 もしも課題のデータが残っていたら調査を大幅に減らすことができるはずだ。あてのないネットの世界を闇雲に引っ掻き回すよりも、昔の自分を頼ったほうが楽ができるかもしれない。そう信じて、サーバに保存されているアーカイブにアクセスした。
 ぼくのアーカイブは使っていたPCごとに保存されている。学生だった頃使っていたPowerMacG4フォルダを覗くと懐かしいデータとともに今回探していた課題のフォルダも残っていた。十年以上続く揺るぎないバックアップポリシーの勝利である。
 ところが、ぼくの期待とは裏腹に残っていたのは最終成果物だけだった。製作に使った資料は何ひとつ残されてはいなかった。このバックアップは整理済みデータのアーカイブなのだろう。だったら当時の生データにアクセスする必要がある。
 生データは、DVD-Rに焼いて保存してある。本棚の上に置いた段ボール箱からぼくが大学2年生だっところの古い日付が書かれたDVDを取り出した。ディスクの裏を見ると容量目一杯のデータが書き込まれているのが反射の違いで分かる。きっとこの中にぼくの思い出と求めるデータが有るはずだ。
 ところが、久々に使ったMac miniのドライブはDVDを受け付けない。エラーディスクとみなしてすぐに吐き出してしまうのだ。ドライブが壊れてしまったのか?それともDVDが劣化してしまったのか?
 最後に希望を託したのはDVDクリーナ。ディスクのデータ面にレンズクリーナー用のブラシの生えた怪しいディスクである。クリーニングは成功してDVDの読み込みに成功した。こうしてぼくのデータを巡る冒険は幕を下ろした。
 今日のハイライトは、データよりも先に読み取り装置がダメになるというデジタルメディアの恐ろしさの片鱗を味わった瞬間である。これからの時代、どうやってデータを残していけばよいのだろう?