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コピペ禁止

by 唐草 [2024/04/05]



 ぼくは大学に入って初めてプログラミングの基礎を学んだ。それまではゲームを作りたいと言って買った書籍を参考に様々なサンプルコードに手を出すも基礎がないので理解できず三日坊主になるのを繰り返していた。
 大学でプログラムを学んだと言っても、ぼくの専攻はコンピューター関連ではない。単位として取得したのは、教職の情報科目に対応できる程度の基礎的な授業だけ。あとは質問するとBSDのマニュアルを渡してくる先生に色々教わることができたのが大きい。こうして基礎と古典的マニュアルに支えられたぼくは、自分が作りたいもののために必要なことを自学できるようになった。
 BSDのマニュアルを渡してくれる先生から直接受けた授業と言えるのは、Cの**(ポインタのポインタ)について考える機会を作ってくれただけ。それはJavaを理解するのに最短な内容だった。
 その先生が、しばしば口にしていた言葉のひとつに「プログラムを書く時はコピペ禁止」がある。
 それを聞いた時は意味がわからなかった。「楽をするな」と言いたいのか?それとも、コマンドプロンプトですべてが完結する古い時代を生きてきたからなのだろうか?といろいろ考えた。でも、どうしても解せなかった。
 実際にプログラムを書くと、コピペしたところでエラーでのエラーが多い。二度書くのが面倒なほど複雑な場所だからミスが増えるのだろうか?それともコピペで済まそうと気を抜くのでミスを見落とすのだろうか?
 理屈は分からないが、経験的にコピペ禁止の正しさを肌で感じていた。それでも、ぼくは楽をしたいという欲求に抗えず、日々コピペを繰り返し、そして数えられないほどのエラーを起こしてきた。
 先日もいつものようにコピペを駆使しながらコードを書いていたときに天啓のような気づきを得た。
 先生は「コピペで済むようなコードは繰り返し書くのではなく関数にして使いまわせ」とごく当たり前のことを言っただけなのに、学生だった当時のぼくは意味を汲み取れなかった。だから印象的な「コピペ禁止」だけが記憶に残っていたのだろう。
 長年変な理解をしていたことに気づいてちょっと恥ずかしい。