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私はドラム缶

by 唐草 [2019/02/11]



 ゲームのアバターを作ると普段は内に秘められている性格と性的嗜好が垣間見えてくる。なりたい自分の分身を作るのか?それとも理想の異性を作るのか?子供がいいのか?大人がいいのか?これらの大きな要素が目立ちがちだが、細部にこそ人の本性が出るのかもしれない。タレ目が好きなのか?ツリ目が好きなのか?身長はどれぐらいがいいのか?唇の厚さはどれぐらいがいいのか?
 今のゲームは細部まで調整ができる。無限に時間があれば、きっと髪の毛の生え際までこだわった理想の一人を作り上げることができるだろう。さて、その理想の人を誰かに見せられるだろうか?完全な理想形を見せることは、ある意味自分の心の中を見せるのと同じかもしれない。ぼくは、ちょっと恥ずかしいので見せたくない。
 だから、ぼくは完全に理想に合致するキャラクターが完成するまでキャラメイクを粘ることはない。プリセットをちょっといじってそれっぽい感じにしているだけ。それでも、ぼくの作った女性キャラはどれも似た感じになっている。たぶん、自分でも明確には認識できていないが、あれが好みのタイプなんだろう。簡単に言うと、猫目な感じの丸顔。ん?ただ単に猫が好きなだけなのか?だが、絶対に猫耳とかは付けない。
 美人は三日で飽きるなんて諺があるが、いくら理想像とは言えずーっと同じアバターで遊んでいると飽きてくる。たまにはイメチェンしたくもなる。髪型を変えたり、季節に合わせて衣装を着替えたりさまざまなことを試す。でも、極稀に頭のネジが外れてしまうことがあるようだ。全力で笑いを目指してしまうことがある。こうなってしまうと理想のプロポーションもへったくれもない。まるで悪魔に魅入られたかのように怪異なキャラクターを生み出したくて仕方がなくなるのである。数日前が、ちょうどそのタイミングだった。
 某ゲームの今のアバターは、ドラム缶である。数日前までインスタに自撮りを上げていそうな意識高めのお姉さん風だったのに、今は黒いドラム缶である。
 もちろんドラム缶のアバターがあるわけではない。2頭身キャラにして甲冑騎士がかぶってるバケツのような兜を巨大化して複数重ねてドラム缶を再現している。笑いの神が、謎の創意工夫をぼくに教えてくれたのである。
 画面内を所せましと飛び回る黒いドラム缶の姿は、『ゴートシミュレーター』的なカオスである。そのカオスこそ今のぼくが求めている物なのだ。
 だが、実害もある。手足もすべてドラム缶の中なのでキャラのモーションが見えない。また、キャラの骨格を隠すほど大きなドラム缶なので画面の大半がドラム缶しか映っていない。プレーに支障が出ているが、まぁドラム缶だから仕方がない。