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冬の装備だった

by 唐草 [2020/03/22]



 今日は最高気温が25℃を超えた。ゴールデンウィーク頃の暖かさを一気に飛び越えて、夏日になっていたのだ。長袖のシャツで暑く感じたのは、気のせいでなかったようだ。
 ぼくが暖かさに気がついたのは午後3時過ぎ。コンビニへ向かおうとしたときのことだった。玄関を開けると外から暖かい風が勢いよく流れてきた。花粉対策で締め切っていた我が家の中だけ、季節から取り残されているようだった。この暖かさならジャケットはいらない。部屋にいるときの装いのまま、外へと踏み出した。
 この振る舞いは、いかにも初夏らしい。だが、1つだけ例年とは決定的に異なる点があった。
 マスクをしていたのだ。先程花粉対策と書いたが、これは同居する家族への配慮だ。万年鼻炎持ちのぼくだが、幸いなことに花粉には反応しない。胸いっぱい春の空気を吸っても平気な顔をしていられる。
 花粉症とは縁のないぼくがマスクを身に着けたのは、言うまでもなくコロナウィルスへの対策である。近隣のコンビニと言えども油断しない姿勢が重要だろう。
 マスクをしながら数十メートル歩いたとき、初めての感覚に襲われた。口元がたまらなく暑かったのだ。
 ぼくは冬になるとインフルエンザ対策としてマスクをしている。だから、マスクには慣れているつもりだった。コロナの猛威が収まるまで、春だろうが夏だろうがマスクを欠かさず身につける覚悟でいた。
 そう考えていたのだが、ぼくには想像力が欠如していた。
 暑い日に口元を布で覆えば暑いという当たり前のことに思い至れていなかった。ぼくのマスク体験は冬しかなく、マスクが温かいものだなんて感じたことはなかった。こんなにも口元が暑かったら、とてもじゃないけれどマスクを付けていられない。周囲に人がいないのを確認すると、ぼくはおもむろにマスクを外した。
 今はまだ、多くの人がマスクを身に着けている。これから暑い日が増えていくとどうなるだろう?息苦しさと暑苦しさの二重苦を我慢できずにマスクを外してしまう人が増えそうに思えてならない。
 今、日本でのコロナ蔓延が軽度で済んでいるのがマスクの功績だとしたら、マスクを身につけるのが嫌になるこれからの暑い季節にこそ最大のリスクが潜んでいるのかもしれない。